株式会社WorkX

株式会社WorkXは、「プロフェッショナル・エコノミーへの変革」を掲げ、企業の課題解決を支援するプロフェッショナル人材の調達・活用サービスを展開する。

現在、設立から8年目であり、8,000名以上のフリーランスと企業をつなぐプラットフォーム「ProConnect(プロコネクト)」と、自社コンサルタントが実行支援まで担うコンサルティング事業「LeanX(リーンエックス)」の二本柱で、社員数200名規模へと急拡大させた。

組織崩壊や人材流出といった困難を、徹底した「言語化」と組織構築で乗り越えた同社。既存事業の深化とともに、地方創生やスタートアップ支援、AIを活用したBPOサービスなどさらなる展望を描く東野智晴代表に、戦略とビジョンを聞いた。

東野智晴(ひがしの ちはる)──代表取締役
慶應義塾大学大学院を卒業後、東京海上日動火災保険株式会社を経て、株式会社ベイカレント・コンサルティングに入社。セールス・マーケティング支援、データサイエンティスト人材育成などに従事。その後、2018年に株式会社WorkXを創業。
株式会社WorkX
2018年、設立。「プロフェッショナル・エコノミーへの変革」を掲げ、企業の課題を解決するためのプロフェッショナル人材を調達するサービスを提供。フリーコンサルタントと企業のマッチングプラットフォーム「ProConnect」、自社コンサルタントとフリーランスの専門性を掛け合わせたDX/AIコンサルティングサービス「LeanX」を展開。

目次

  1. プロ人材プラットフォームとコンサルの二つが事業の柱
  2. 人材と案件の流出を乗り越えた「言語化」
  3. 失敗のデータを蓄積し、マッチング精度を向上
  4. AIを活用した事業拡大の展望

プロ人材プラットフォームとコンサルの二つが事業の柱

── WorkXは、人材関連の会社ですね。

東野氏(以下、敬称略) 弊社は2018年11月に創業し、現在はプロフェッショナル人材プラットフォームの「ProConnect」と自社コンサルタントによるコンサルティング事業の二つを運営しております。

── 最初の事業は、ProConnectだったということでしょうか?

東野 はい。創業当初は私一人で、フリーランスの方々への営業活動や案件獲得を行いながら、事業を拡大させました。創業3ヵ月目には、現在は社員として働いてくれているメンバーが学生インターンとして入ってきたり、事業立ち上げフェーズに強いフリーランスが参画してくれて、立ち上げプロセスに貢献してくれました。

── 人的な面では、どのように拡大したのでしょうか?

東野 創業当初は正社員ゼロで、月2000万円ほどの売上を達成したころで初めて正社員を採用しました。組織化には一年半ほどかかり、組織崩壊や裏切りもありましたが、社員が10人を超えたあたりから拡大期に入っています。3年目(2021年ごろ)には組織が軌道に乗り、売上拡大へとつながりました。

── そのタイミングで、二本目の柱となるコンサルティング事業を立ち上げられたのですね。

東野 はい、2022年に立ち上げました。こちらもゼロからのスタートでしたが、一年ほどかけて営業体制を構築し、現在ではコンサルタント数100人を超える規模に成長しました。

── コンサルティング事業に参入された転換点や背景について教えてください。

東野 創業当初から想定していたシナリオの一つです。フリーランスのコンサルタントが活躍する領域は、一般的に規模が小さくニッチな専門性が求められることが多い傾向にあります。しかし、事業を拡大するためには、より規模の大きい案件への対応が必要と見込んでいました。

── つまり、ビジネスモデルのシフトであると?

東野 ええ。規模の大きい案件に対応するには、フリーランスだけではチームを組むのが難しい場面が出てきます。そこで、社員を雇用し、チーム体制を構築する必要があると判断しました。対象案件の規模を拡大するという発想から逆算すると、社員による組織化が不可欠だったのです。

── コンサルティング事業で上流から入り、実行支援が難しいという課題に対してプラットフォームの活用で支援するというイメージでしょうか?

東野 その通りです。コンサルティングから実行支援まで一貫して対応しています。

人材と案件の流出を乗り越えた「言語化」

── 成長の中で、さまざまな壁に直面したと思います。最もハードだった経験と、それをどのように乗り越えたのかを教えてください。

東野 私自身、あまり物事を重くとらえるタイプではないのですが、強いていえば、最初の組織構築のフェーズは苦労しました。月2000万円の売上を達成するまでは、一人で死ぬ気で働けば達成できるシンプルなものでしたが、人を雇用し組織をつくる段階で、マネジメントの難しさに直面しました。

人の感情を理解するのが苦手な面もあり、マネジメントには苦労しました。その中で、裏切りも発生しました。競合他社が立ち上げられ、人材や案件が流出したのです。

── そのような困難を、どう乗り越えたのでしょうか?

東野 組織構築を「言語化」し、それを徹底的に実行したことが挙げられます。

具体的には、飲み会や1on1ミーティングをきちんと行うなど、基本的なコミュニケーションを重視しました。中途で入社した人事担当者が「組織構築が急務です」と指摘してくれたことがきっかけで、本格的に取り組み始めました。

また、当時5人ほどしかいなかったオフィスを、20人が入れる広さのオフィスに移転しています。同じ空間でともに夢を語り合う中で、組織が形成され、業績も向上しました。

── 2021年から2022年、そして2024年から2025年にかけて、売上高が大きく伸びている印象です。急成長の要因は、何でしょうか?

東野 「変わり続ける」ことを決断してきた点が大きいと考えています。5人、10人、30人といった組織の壁にぶつかるたびに、自分たちが変わらなければならないと認識し、解決策を実行しました。

── その解決策は、外部の専門家の知見も活用したのでしょうか?

東野 はい。たとえば、人事制度がない状態から制度を構築する際には、ProConnectに登録いただいているフリーランスの人事コンサルタントに入ってもらいました。その他、システム開発やマーケティングなどもフリーランスと共に進めました。その道のプロにアドバイスをもらいつつも丸投げせず、自分たちでつくり上げるという強い意志を持って取り組んだことが、早い段階で壁を乗り越えることにつながったと考えています。

── 「日本は一人負けしている」という現状に対し、終身雇用や年功序列といった制度が生産性を低下させているという問題意識を持っているとか。

東野 プロフェッショナル人材が適切に配置され、自由に調達できる環境をつくることで、日本の生産性を向上させたいと考えています。その世界観を実現するために、私たちは事業を展開してきました。

── まさに、時間資本の効率性が高いビジネスモデルだと感じます。

東野 私自身は、最短距離を走ってきたという感覚はなく、遠回りしたと感じることも多いのですが、うまくいかない場合の方が多い中でも課題を潰しながら進んできました。

失敗のデータを蓄積し、マッチング精度を向上

── コンサルティング事業には多くの企業が参入していますが、WorkXならではの価値や差別化ポイントは何でしょうか?

東野 ビジネスモデルそのものが強みだと考えています。「ProConnect」とコンサルティング事業を単独で展開するのではなく、ハイブリッドで組み合わせ、お客様を支援している点が特徴です。

── フリーランスの専門性と、社員による実行支援を組み合わせているのですね。

東野 フリーランスの強みは専門性ですが、最後までやり切るコミットメントという点では社員が必要です。この両方の良いところを取り入れることで、お客様はどのような課題でもワンストップで相談でき、実行まで任せられる。結果として、「安く、早く、うまい」という価値を提供できます。

── プラットフォームの登録者数も8000人を超えるそうですが、プラットフォーム運営における、人材調達とデリバリーの品質管理をどのように担保していますか?

東野 リボンモデルにおける「人材調達」「営業」「マッチング」の三点を回す必要があります。人材を調達する側は、プロフェッショナル人材から圧倒的な認知を得るのが重要です。フリーランスの方々が仕事を探す際に利用するプラットフォームとして、AI検索・WEB検索において上位表示されるようなプロモーションを行っています。

── 企業側へのアプローチは、営業マンの質と量の掛け算が重要になりますね。

東野 はい。営業組織を構築し、クオリティコントロールと量産を両立させることが重要です。

マッチングにおいて、最も重要なのは「見極め」です。フリーランスは玉石混交であるため、悪い人材を弾くことに注力しています。石さえ弾ければ、あとはマッチング精度が重要になりますが、ここはAIを活用し、ほぼ自動化しています。

── 失敗事例をデータ化し、仕組みに反映させていると。

東野 そうです。失敗こそが資産だと考えています。

── メインターゲットはエンタープライズ企業とのことですが、中小企業との取引は少ないのでしょうか?

東野 エンタープライズ企業が主なターゲットですが、中堅企業ともお付き合いはあります。エンタープライズ企業の方が、一度信頼関係を構築できれば、その後は円滑かつ安定的な連携が可能となります。長期的な信頼関係を築きやすく、継続的な取引が実現できます。

全体的には現在、年間250社ほどのペースで新規取引をさせていただいており、今後は既存顧客の深耕に注力する考えです。

AIを活用した事業拡大の展望

── 今後の事業展開や戦略についても教えてください。5年後、10年後の未来像についてうかがえればと思います。

東野 AI活用が最重要だと考えています。現在の二つの事業を柱にIPOを目指し、その後はM&Aや新規事業立ち上げを通じてグループ経営へと移行する考えです。

── 具体的な事業展開としては、どのような分野を想定していますか?

東野 一つは、コンサルティングの実行支援をより深くまで行うことです。システム開発やマーケティングの内製化支援、AIを活用したBPOサービスなどを展開します。これにより、お客様の課題解決までの時間を圧縮し、スピード感を高めます。

もう一つは、日本の経済を良くするというビジョンに基づいて、東京だけでなく地方創生にも力を入れ、大企業だけでなく中小企業やスタートアップを支援します。具体的には、地方創生やファンド事業を通じて、スタートアップの資金調達や成長支援を行います。

われわれが成功したビジネスモデルを横展開し、急成長するスタートアップを創出する考えです。

── 生成AIの活用は、コンサルティングの生産性を飛躍的に向上させる可能性を秘めていると感じます。

東野 AIは、上流・下流の仕事が代替される一方で、それらをつなぐ中央部分の重要性が増すでしょう。AIを取り込み、実行支援を強化することで、一気通貫のモデルが実現できると考えています。

自社で手作りして1年かかっていたことも、プロの力をうまく活用すれば、質を高めながら期間を半分やそれ以上へと圧縮できます。お困りごとがあれば無駄な時間をかけず、ぜひ身近な外部のプロフェッショナルに相談してみてください。一緒に日本の生産性を上げていきましょう。

氏名
東野智晴(ひがしの ちはる)
社名
株式会社WorkX
役職
代表取締役

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