「お任せ」から「確認」へ。オーナーの役割とは
不動産投資にピリッと「攻めのスパイス」を!
今回は、オーナー様が役員に立候補できない物件で、どうやって資産管理に関わっていくかについてです。
そもそも投資用マンションでは、オーナー様が遠方に住んでいたり本業が多忙だったりと、役員のなり手が不足しがちです。そのため、マンションの維持・管理を滞りなく進める目的で、最初から「プロである建物管理会社が理事長(管理者)を兼任する」というルールになっている物件が多く存在します。
こうした物件では「建物管理会社に任せるしかない」と諦めがちですが、それは禁物です。建物管理会社を信頼しつつも、投資家として「提案内容にしっかり関心を持ち、確認する」姿勢を見せることが、より良いマンション管理を引き出す第一歩になります。
可能であれば「総会への直接参加」がベストな選択
最も効果的なアクションは、年に一度の定期総会に直接足を運ぶことです。近年はオンラインで参加できるマンションも増えてきました。
直接顔を合わせて質問することで、書面以上に建物管理会社の担当者と深いコミュニケーションが取れます。また、物件のリアルな管理状況やほかのオーナー様の温度感を肌で感じることができるため、不動産投資家として非常に価値のある時間になります。
【実録】一言の指摘が、適正なコストダウンを引き出したケースも!
実際、役員になれないルールの物件であっても、総会の場で「この工事金額は高額ではないか」と冷静に指摘したことで、状況が大きく動いた現場があります。
その指摘をきっかけに、改めて適正な相見積もりを取得する流れとなり、結果として当初の議案よりも大幅に値下がった価格で工事が実施されました。
たとえ役員という立場でなくても、一人の不動産投資家として「適切な関心」を表明するだけで、マンション全体の利益を最大化する起点になれるのです。
参加が難しければ「議決権行使書」でコミュニケーションを
とはいえ、多忙で参加が難しいオーナー様がほとんどかと思います。そこで活躍するのが、総会前に届く「議決権行使書(総会に出席できない場合に、書面で議案への賛否を提出する書類)」です。
これは、ただ賛成・反対をつけるだけの紙ではありません。議案について深掘りしたいことがあれば、行使書の備考欄などを活用して「質問」を添えてみましょう。(※確実な回答を得たい場合は、総会前に直接建物管理会社へ問い合わせるのも有効です)
建物管理会社に対して「私はこの物件の管理に関心を持っています」という前向きなメッセージになり、より透明性の高い情報開示を引き出すきっかけになります。
建物管理会社との信頼を深める「良い質問」の例
質問の目的は、単なる値引き交渉や相手を責めることではなく、「納得して判断するための根拠を教えてもらう」ことです。以下のような、事実に基づいた建設的な質問が効果的です。
1. 工事プロセスの確認
「今回の修繕工事について、他社の比較(相見積もり)は行われましたか? この業者を選定した強みを教えてください」
2. コスト変動の背景確認
「管理費の改定について、特に影響が大きかった項目(清掃費や点検費など)の内訳と、その背景を教えていただけますか?」
このように「理由」や「背景」をフラットに聞くことで、建物管理会社も真摯に説明しやすくなります。資産価値を一緒に高めていくための「パートナーとしての対話」を意識してみてください。
専門的な総会資料の読み解きは、RENOSYにお任せください
「質問したくても、専門的な資料から何を読み解けばいいかわからない」という方もご安心ください。
RENOSYのオーナー様には、「建物管理サポート」がついています。オーナー様に代わって総会資料や議案書を読み解き、「ここは確認しておいた方がいい」というポイントをアドバイスいたします。
プロの知見を活用しながら、建物管理会社との良好な関係構築と資産価値の向上を両立させましょう。
次回予告
「できることから少しずつ始めてみよう!」と思っていただけたでしょうか。
次回の第8回は、いよいよ本連載の最終回です。
これまでの第1回から第7回までの「攻めのマンション管理」のノウハウを総まとめし、オーナー様が明日から踏み出すべき具体的なアクションを総括します。
お楽しみに!
この記事を書いた人
マンション管理コンサルタント・現役理事長
名古屋工業大学大学院修了後、大手住宅設備メーカーを経てGA technologiesへ転職。セールスとして累計46億円の販売実績を上げ、全セールス中「面談顧客満足度1位」を獲得する。その後、担当顧客の物件で修繕積立金が高騰した経験から建物管理の重要性を痛感し、自らコンサルティング事業を立ち上げ。これまでに300棟以上のコンサルティング、6,000棟を超える総会資料を徹底分析し、200名規模の部署で年間MVPにノミネートされる。自身も1.1億円の物件を運用する現役理事長。宅地建物取引士。管理業務主任者。2児のパパ。趣味はアニメと遊戯王カード。