本記事は、松岡 保昌氏・岩渕 美香氏の著書『残念なリーダーにならないための マネジメント50の心理法則』(日本実業出版社)の中から一部を抜粋・編集しています。

残念なリーダーにならないための マネジメント50の心理法則
(画像=metamorworks/stock.adobe.com)

メンバーが自ら動くようになる法則

「結論」「理由」だけでは、人は動かない

新しい取り組みを全社員に告知する、決定事項や方針をメンバーに伝える、良い事例やノウハウを共有するなど、さまざまな場面で情報共有がなされます。
しかし、多くの会社では、それでは人は動かない、と感じられる伝え方が横行しています。
理由は、「情報を共有する目的」を考え抜いていないからです。
情報共有する内容は、聞き手に行動化まで結びつけてほしいものが多いはずです。
たとえば、良い事例を共有したときは、その事例を参考にして成果を上げる行動をとってほしいという目的があります。しかし、目的を達成するための伝え方ができなければ、残念ながら行動までなかなかつながりません。

まず、話し手は、聞き手の頭の中で何が起こるかまで考え抜いて伝えること。つまり、こちらの目的とする行動がイメージできるように明確に伝えるのです。
伝達の手法として、PREP法(Point-Reason-Example-Point)は広く知られていますが、行動に結びつけるためにさらなる究極の伝え方があります。それは、次の4つを順に伝えるのです。

  1. 結論
  2. 理由
  3. 具体例
  4. だから、どうすべきか

キーワード
伝達の4要素

残念なリーダーにならないための マネジメント50の心理法則
(画像=残念なリーダーにならないための マネジメント50の心理法則)

この4つの要素を順番に話します。ここでとくに重要なのは、4の「だから、どうすべきか」です。私は、あなたにこの情報を受け取った後どうしてほしいのか。話し手が相手に期待する行動を直接伝えるのがポイントとなるからです。

「いい話を聞いた」で終わらせないために

残念ながら、話が結論と理由だけで終わってしまっているケースは少なくありません。
しかし、それだと話にリアリティがなく、説得力がないのです。
話を聞いただけで、すぐに自分ごととして行動にまで結びつけられる人は、正直あまり多くはありません。時には話を聞いて、「いい話だね」で終わってしまうこともあります。
人が行動に結びつくのは、腹の底から納得したとき、文字通り「腹落ちしたとき」です。
腹落ちするには、自分も過去に同じ経験をしたか、経験はしていないけれど、たしかにありえるという実感があることです。だからこそ、相手に合わせた、相手が理解できる具体例が大事なのです。
情報を共有し、具体例で納得し、そのうえで「どうしてほしいのか」「どういう行動をしてほしいのか」まで、伝えるのです。

この4つの要素で伝える習慣は、人の成長も促します。メンバーも、話をする前に、この4つの要素があるかを「自問自答する習慣」が身につくと、伝える力が飛躍的に高まります。

「結論」「理由」「具体例」「だから、どうすべきか」の4つの要素で伝える

残念なリーダーにならないための マネジメント50の心理法則
松岡 保昌(まつおか・やすまさ)
株式会社モチベーションジャパン代表取締役社長。人の気持ちや心の動きを重視し、心理面からアプローチする経営コンサルタント。1963年生まれ。1986年同志社大学経済学部卒業後、リクルートに入社。『就職ジャーナル』『works』の編集や組織人事コンサルタントとして活躍後、2000年にファーストリテイリングにて、執行役員人事総務部長として当時の急成長を人事戦略面から支える。その後、執行役員マーケティング&コミュニケーション部長として逆風下での広報・宣伝の在り方を見直し新たな企業ブランドづくりに取り組む。2004年にソフトバンクグループに移り、ブランド戦略室長としてCIを実施。福岡ソフトバンクホークスマーケティング代表取締役、福岡ソフトバンクホークス取締役として球団の立ち上げを行う。また、AFPBB News編集長として、インターネットでの新しいニュースコミュニティサイトを立ち上げる。現在は、経営、人事、マーケティングのコンサルティング企業である株式会社モチベーションジャパンを創業。国家検定1級キャリアコンサルティング技能士として、個人のキャリア支援やキャリアコンサルティングの普及にも力を入れている。著書『人間心理を徹底的に考え抜いた「強い会社」に変わる仕組み』『こうして社員は、やる気を失っていく』(いずれも日本実業出版社)。
岩渕 美香(いわぶち・みか)
株式会社モチベーションジャパン取締役副社長。キャリアセルフ・エフィカシー研究所所長。「自己効力感」を重視したアプローチで、人と組織を活性化させる組織・人事コンサルタント。金融業界およびパナソニックグループにて営業、人材育成、組織支援に従事。リーダーの日常の関わり方がメンバーの自己効力感とキャリア自律意識に大きく影響することに着目してきた。国家検定1級キャリアコンサルティング技能士。キャリアカウンセリング協会認定スーパーバイザー。筑波大学キャリア・プロフェッショナル養成講座、慶應MCC組織版キャリアコンサルティング指導者育成プログラムにて心理学やキャリア形成支援の手法を研鑽。組織開発の実務経験を再体系化するため産業能率大学通信課程「現代マネジメント学科」に編入し経営を学び直す。キャリア視点を持つ組織内コミュニケーション促進の実践者として、対話型コミュニケーション研修、キャリア支援の仕組みづくり、キャリアコンサルタントの育成を得意としている。

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残念なリーダーにならないための マネジメント50の心理法則
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