本記事は、松岡 保昌氏・岩渕 美香氏の著書『残念なリーダーにならないための マネジメント50の心理法則』(日本実業出版社)の中から一部を抜粋・編集しています。
若手社員がすぐに辞めなくなる法則
「入社前とのギャップ」が退職に向かわせる
人が辞めても新たに採用するのが難しい時代、どうしたら若手が辞めるのを防げるのでしょうか。
新卒入社の社員が辞める原因の1つに、「リアリティ・ショック(Reality shock)」があります。とくに3年目までの社員については要注意です。
「リアリティ・ショック」とは、組織心理学者であるE・C・ヒューズが提唱した概念で、新しい環境に身を置いた際に、思い描いていた理想と現実のギャップに驚き、とまどい、不安や喪失感を抱き、モチベーションが低下してしまう状態です。そしてこれは、最悪の場合、離職へとつながります。
「リアリティ・ショック」は、一般的には4つの要因から発生します。
- 仕事に関するギャップ
会社や仕事に対する理想が高すぎて、こんなはずではなかった - 対人関係に関するギャップ
上司や同僚とうまくいかない。不満や悩みを話せる相手がいない - 他者能力に関するギャップ
ほかの社員の能力と比較して、劣等感を持つ。逆に、周囲の意識の低さにあきれる - 評価に関するギャップ
こんなに頑張っているのに、会社は評価してくれないと嘆く
キーワード
リアリティ・ショック
新入社員の「リアリティ・ショック」は、第一の波がまず入社直後に起こります。顕著なのは「仕事に関するギャップ」です。
また、新卒の場合、多くはアルバイトの経験しかないので、仕事は付加価値を出すことであるのにもかかわらず、指示されたことをただやるだけだと思っている人もいます。
そこで必要になるのは、この仕事はどのような意味を持ち、どのような良い影響をもたらすのか、それらを含めて仕事のやりがいを新人が理解できるようにすることです。
人間関係をつくり孤立させない。
そして、未来の成長した姿をイメージさせる
第二の波は、「対人関係に関するギャップ」です。学生時代は、学校にお金を払ってサービスを受けていた立場です。学校側が手取り足取り面倒をみていました。しかし、会社に入ると、そこまで構ってくれることはありません。周囲が冷たいと感じるのです。
また、学生時代までは、極端に言うと気が合わない人、嫌いな人とは付き合う必要がありませんでした。しかし、社会人になるとそうはいきません。さまざまな人と付き合う必要が生じます。本人にとっては想定外の事態です。
2年目、3年目になると第三の波がやってきます。「他者の能力に関するギャップ」「評価に関するギャップ」です。1年目では気づかなかった、同期との差も現れます。また、数年上の先輩を見て、自分は劣っているのではないかと感じるようになります。
さらに、1年目は、研修体制も充実しており、学びの期間と位置付けている会社も多いので、成果が出なくてもそこまで厳しく咎められません。しかし、2年目以降は、仕事の成果に対してシビアに評価されます。そうすると、不満が溜まります。「自分はこんなに頑張っているのに、上司の評価がおかしい」などと思うのです。
離職を防ぐには、この3つの波を理解して、若手社員とコミュニケーションを密にとりましょう。誰にでも起こる心のゆらぎです。しっかり受けとめて、ギャップを埋めるべくじっくりと話し合いましょう。
「リアリティ・ショック」緩和のために、心のゆらぎを理解し話し合う
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