本記事は、水澤 健一氏の著書『インフレ時代の不動産投資 最短で成功するロードマップ』(あさ出版)の中から一部を抜粋・編集しています。
不動産がインフレに強い理由
インフレ時代の資産防衛を考えたとき、有力な選択肢の一つとなるのが不動産です。
その理由は、不動産が「実物資産(リアルアセット)」だからです。
実物資産とは、土地や建物、金や銀などの貴金属、原油や農産物といったコモディティなど、実体を持ち、それ自体に経済的価値がある資産を指します。株式や債券、預金などの金融資産は価値を金融システムや契約に依存しますが、実物資産は現物そのものが価値の裏付けとなっています。
では、なぜ実物資産はインフレに強いのでしょうか。
第一に、実物資産は貨幣価値の下落に合わせて価格が上昇しやすいという特徴があります。
インフレとは、お金の価値が下がり、モノの価値が相対的に上がる現象です。そのため、土地や建物、金などは、物価の上昇に伴って価格が上昇する傾向があります。歴史的にも、不動産や金は「インフレヘッジ資産」の代表格として位置づけられてきました。
第二に、供給が簡単に増えないという希少性があります。
土地は新たに増やすことができません。不動産も、立地や周辺環境を含めれば、まったく同じものは二つと存在しません。金も採掘量には限界があります。
一方で、通貨は政策によって発行量を増やすことができます。この違いが、長期的な価値の維持という点で大きな差を生みます。
そして第三に、不動産には資産価値だけではなく、継続的な収益を生み出す力があります。
賃貸不動産であれば、家賃収入というキャッシュフロー(CF)を得ることができます。キャッシュフローとは、家賃収入からローン返済や管理費、修繕費、税金などの支出を差し引いた後に、実際に手元に残るお金のことです。
もちろん、どの物件でもよいわけではありません。購入時の価格だけでなく、将来の売却価格や維持管理費、税金まで含めて検討し、長期的にキャッシュフローが安定してプラスとなる物件を選ぶことが重要です。
この「価値を保ちながら収益も生み出す」という点が、他の実物資産にはない不動産の大きな魅力といえるでしょう。
現在の日本では、インフレによって次のような変化が起きています。
- 建築資材や人件費の上昇によって、新築コストが高くなる。
- 土地価格が上昇しやすくなる。
- 物価や所得の上昇に合わせて家賃も見直されやすくなる。
こうした要因が重なることで、既存の収益不動産の価値は相対的に高まりやすい環境になります。
さらに、インフレが進むと、不動産という資産の価値は上昇しやすくなる一方で、借入金は額面が変わりません。その結果、時間の経過とともに借金の実質的な負担は軽くなっていきます。
つまり、インフレ局面では、「資産価値が高まりやすい」という効果と、「負債の実質価値が下がる」という効果が同時に働く可能性があるのです。
もちろん、不動産投資には空室や修繕、金利上昇などのリスクもあります。しかし、物件選びと資金計画を慎重に行えば、インフレ時代に資産を守り、育てるための有力な手段となることは間違いありません。
1967年東京都生まれ。父の転勤で10歳から20歳まで兵庫県神戸市で過ごす。1988年神戸高専・電気工学科卒。1988年4月富士通株式会社に入社。1996年に日本ルーセントテクノロジーズ(米国元AT&Tの日本法人)へ転職。その後2度事業部ごと売却され、最後はイスラエル企業に所属。
1996年結婚を機に、所有していた香川県高松市郊外の戸建で賃貸を始める。1997年から妻の両親のそのままでは使えない不動産の整理整頓を抜本的に行い、賃貸マンション3棟新築、その際に立退、貸地トラブル解決、土地の等価交換、収益不動産の調達等とその手腕を発揮。
2004年2月4日に大家さんの為のお困りごと相談コミュニティ「大家さん学びの会®」を発足。この会から2008年に『絶対に「儲かる大家さん」になる実践バイブル』(日本実業出版社)を出版。現在、全国8拠点で定例勉強会&懇親会を行う。自身も個人・法人で賃貸経営を行う。2014年6月に会社員を卒業、大家さん学びの会®の勉強会の運営、メンバーサポートを行う。2014年からREITISS(物件購入から売却まで税引後キャッシュフローを分析するシステム)のマスター・コンサルタント。不動産投資で成功するメンバーを多数創出している。7棟の賃貸アパート・マンション、区分8、戸建て4の合計70世帯を運営中。
※画像をクリックするとAmazonに飛びます。
- お金の価値が下がる時代に備えよう、不動産が資産防衛になる理由
- 物件だけを見ていては失敗する、不動産投資で大切な担当者選び
- なぜ年収が高くても融資が通らない? 銀行は返済の継続力を見ている
- 新築か中古かで迷うな! 自分に合う不動産投資の選び方
- 数字と現地で見極める、失敗しない収益物件の選び方
- 引渡し後に差がつく、不動産オーナーの経営習慣
- 一人で頑張り続けようとするな、不動産投資で成果を出す学びの環境
