本記事は、水澤 健一氏の著書『インフレ時代の不動産投資 最短で成功するロードマップ』(あさ出版)の中から一部を抜粋・編集しています。

インフレ時代の不動産投資 最短で成功するロードマップ
(画像=beeboys_stock.adobe.com)

新築と中古、どちらから始めるべきか

これから不動産賃貸経営を始めようとする方から、よくいただく質問があります。
「新築・築浅の低利回り物件と、築古中古の高利回り物件では、どちらから始めるべきでしょうか」
私の答えは、「どちらにもメリットがあり、一概にどちらが正しいとは言えない」です。
大切なのは、ご自身の属性やライフスタイル、資金計画に合った選択をすることです。
会社員であれば、多くの場合、アパートローンを利用できます。一般的には年収の10~12倍程度まで融資を受けられるケースもあり、審査スピードも比較的速いため、この融資枠を活用しない手はありません。

現在では、新築木造アパートでも30~35年という長期融資を利用できる金融機関があります。収益性は以前より低下したとはいえ、表面利回りが7%前後確保できる物件であれば、税引後キャッシュフローを得ながら、最初の10~15年間は大きな修繕費を抑えて運営できる可能性があります。
本業が忙しく、物件管理に多くの時間を割けない方には、新築・築浅物件から始める方法は十分選択肢になるでしょう。

一方で、築古中古の戸建てやアパートは、高い利回りを期待できる反面、修繕費の見極めが極めて重要になります。
購入価格だけではなく、購入後に必要となる修繕費まで含めて収支を組み立て、税引後キャッシュフローが十分確保できることを確認してから購入するべきです。
修繕費を見誤ると、「利回りは高いはずなのに、お金が残らない」という状態になりかねません。
迷ったときは、一人で判断しないこと。
不動産賃貸経営の経験者が集まる勉強会やコミュニティにビジター参加をして、複数の先輩大家の意見を聞いてみてください。コミュニティにも相性がありますので、いくつかビジター参加をして、自分に合う環境を選ぶことをおすすめします。

次に、私が実際に購入・売却した築古木造アパートの事例をご紹介します。

インフレ時代の不動産投資 最短で成功するロードマップ
(画像=インフレ時代の不動産投資 最短で成功するロードマップ)

この物件は、埼玉県北部にある木造アパートで、ビジネス交流会で知り合った相続事前対策コンサルタントの友人からご紹介いただいた案件でした。
売主は相続対策を進めていましたが、認知機能への不安もあり、早期売却が必要な状況でした。
当時は築年数の経過した木造アパートに長期融資を行う金融機関が少なかったため、日本政策金融公庫から融資を受けました。抵当権の付いていない別の不動産を担保に提供し、決済後に購入した物件へ担保を付け替える形で対応しました。
この物件は、大手管理会社によるサブリース契約が付いていましたが、購入前に売主にサブリースを解除していただきました。
一般的に、サブリース契約は慎重に検討したほうがよいとされています。家賃保証による安心感がある一方で、家賃の見直しや契約内容の制約によって、想定どおりの収益や経営ができなくなる可能性があるためです。私も基本的にはサブリース契約ではなく、自ら経営判断ができる一般管理委託契約を選ぶようにしています。

購入後、退去が発生した部屋を確認すると、想像以上に傷みが激しく、水回りを含めた全面リフォームが必要な状態でした。
そのため、退去のたびに一室当たり200万~300万円程度をかけてフルリノベーションを実施しました。
決して小さな投資ではありませんでしたが、その結果、周辺相場より高い家賃で入居付けができ、最終的には売却価格にも反映されました。
築古物件では、「最低限の修繕で家賃を抑える」のか、「しっかり改修して家賃を高めに設定する」のかという判断が求められます。
私自身は後者を選択しました。修繕費は日本政策金融公庫の無担保融資を活用し、手元資金を減らさないよう工夫しました。

もちろん、この判断が常に正解というわけではありません。物件の立地や競合状況、想定する入居者層によって最適解は変わります。
だからこそ、購入前の収支分析と出口戦略を十分に検討したうえで、自分に合った経営方針を選ぶことが大切なのです。

インフレ時代の不動産投資 最短で成功するロードマップ
水澤 健一(みずさわ・けんいち)
大家さん学びの会®代表
1967年東京都生まれ。父の転勤で10歳から20歳まで兵庫県神戸市で過ごす。1988年神戸高専・電気工学科卒。1988年4月富士通株式会社に入社。1996年に日本ルーセントテクノロジーズ(米国元AT&Tの日本法人)へ転職。その後2度事業部ごと売却され、最後はイスラエル企業に所属。
1996年結婚を機に、所有していた香川県高松市郊外の戸建で賃貸を始める。1997年から妻の両親のそのままでは使えない不動産の整理整頓を抜本的に行い、賃貸マンション3棟新築、その際に立退、貸地トラブル解決、土地の等価交換、収益不動産の調達等とその手腕を発揮。
2004年2月4日に大家さんの為のお困りごと相談コミュニティ「大家さん学びの会®」を発足。この会から2008年に『絶対に「儲かる大家さん」になる実践バイブル』(日本実業出版社)を出版。現在、全国8拠点で定例勉強会&懇親会を行う。自身も個人・法人で賃貸経営を行う。2014年6月に会社員を卒業、大家さん学びの会®の勉強会の運営、メンバーサポートを行う。2014年からREITISS(物件購入から売却まで税引後キャッシュフローを分析するシステム)のマスター・コンサルタント。不動産投資で成功するメンバーを多数創出している。7棟の賃貸アパート・マンション、区分8、戸建て4の合計70世帯を運営中。

※画像をクリックするとAmazonに飛びます。
インフレ時代の不動産投資 最短で成功するロードマップ
  1. お金の価値が下がる時代に備えよう、不動産が資産防衛になる理由
  2. 物件だけを見ていては失敗する、不動産投資で大切な担当者選び
  3. なぜ年収が高くても融資が通らない? 銀行は返済の継続力を見ている
  4. 新築か中古かで迷うな! 自分に合う不動産投資の選び方
  5. 数字と現地で見極める、失敗しない収益物件の選び方
  6. 引渡し後に差がつく、不動産オーナーの経営習慣
  7. 一人で頑張り続けようとするな、不動産投資で成果を出す学びの環境
ZUU online library
(※画像をクリックするとZUU online libraryに飛びます)