本記事は、水澤 健一氏の著書『インフレ時代の不動産投資 最短で成功するロードマップ』(あさ出版)の中から一部を抜粋・編集しています。
土地の価値を調べる
収益物件を購入する際は、建物だけでなく土地の価値も確認しておきましょう。特に築古物件では、建物の価値よりも土地の価値が重要になるケースが少なくありません。
土地の価値を調べる際に便利なのが、「全国地価マップ」です。相続税路線価は国税庁のホームページでも確認できますが、所在地を探すのに時間がかかることがあります。
机上調査では、検索しやすい全国地価マップを利用すると効率的です。
路線価とは、国税庁が毎年公表している、道路に面した土地1㎡当たりの評価額です。
この路線価を基準に、土地面積や形状、接道状況などを考慮して土地の評価額が算出されます。
土地の積算価格は、次の式で概算できます。
土地の積算価格=相続税路線価(円/㎡)×土地面積(㎡)
ただし、この金額はあくまでも基準となる評価額です。実際には用途地域や土地の形状などによって補正が行われます。
例えば、商業地域や近隣商業地域は利用価値が高いため評価が高くなる傾向があり、工業専用地域などは低く評価されることがあります。また、整形地や角地は評価されやすく、不整形地や旗竿地、間口が狭い土地などは評価が下がる傾向があります。補正率は金融機関によって異なりますので、あくまでも目安として考えてください。
例えば、路線価が30万円/㎡、土地面積が100㎡、近隣商業地域でプラス10%の評価を受ける土地であれば、積算価格は約3,300万円になります。
ここで注意したいのは、積算価格と実際の取引価格は異なるという点です。
積算価格は金融機関が融資審査の参考にする評価額であり、市場で実際に売買される価格ではありません。実際の取引価格は、国土交通省の「不動産情報ライブラリー」で近隣の成約事例を確認できます。さらに詳しく調べたい場合は、不動産会社に依頼して、「REINS」(国土交通大臣から指定を受けた不動産流通機構が運営する、不動産会社専用の物件情報ネットワークシステム)の成約事例を確認してもらうとよいでしょう。
築古物件で建物の法定耐用年数を大きく超えている場合は、建物価値をほぼゼロとして評価することもあります。そのような物件では、将来売却する際にも土地の価値が重要になります。
土地の積算価格と市場価格の両方を把握しておくことが、購入時だけでなく、将来の売却を見据えた物件選びになります。
現地調査で住みたいと思えるかを判断する
机上調査の結果、「購入を検討する価値がある」と判断したら、できるだけ早く現地へ向かいましょう。
物件概要書やインターネットの情報だけでは分からないことは数多くあります。街の雰囲気、人通り、周辺施設、建物の管理状態などは、実際に足を運んで初めて分かる情報です。賃貸経営では、その「現地で感じた印象」が、将来の入居率にも大きく関わってきます。
調査の際は、まず駅やバス停から物件まで実際に歩いてみてください。入居希望者と同じ目線で歩くことで、車では気づかないことが見えてきます。道の明るさや歩道の広さ、坂道の有無、人通り、周辺の店舗や生活利便施設など、日々の暮らしをイメージしながら確認していきましょう。
可能であれば、晴れの日だけでなく雨の日、朝・昼・夕方・夜など時間帯を変えて歩いてみることもおすすめします。同じ場所でも時間帯によって街の印象は大きく変わります。
現地では、建物だけでなく周辺環境も含めて、スマートフォンで写真や動画を撮影して残しておきましょう。その場では気づかなかったことも、自宅で見返すことで新たな発見があるものです。
撮影しておきたいのは、建物外観、共用部分、駐輪場・駐車場、ゴミ置場、空室の内見が可能であれば室内、土地の境界杭、周辺道路や街並みなどです。管理会社の看板が設置されている場合もありますが、売主が売却を近隣や管理会社に広く知られたくないケースもありますので、管理会社へ直接連絡することは避けましょう。確認が必要な場合は、必ず買主側の仲介会社を通して行ってください。
近隣住民から話を聞く場合も同様です。売却を知られたくない事情がある場合もありますので、事前に仲介会社へ確認したうえで行うようにしてください。
遠方の物件や、本業が忙しく現地へ行く時間が取りづらい場合でも、できる限り現地調査を優先することをおすすめします。どうしても難しい場合は、信頼できる家族や友人に見てもらう方法や、買主側の仲介会社、地元の賃貸仲介会社へ電話でヒアリングし、できるだけ多くの情報を集める方法もあります。
現地調査で最も大切なのは、「自分が住みたいと思えるか」という視点です。少しでも違和感を覚えたのであれば、将来の入居希望者も同じように感じる可能性があります。
数字だけでは判断できない価値を見極めることが、失敗しない物件選びにつながります。
1967年東京都生まれ。父の転勤で10歳から20歳まで兵庫県神戸市で過ごす。1988年神戸高専・電気工学科卒。1988年4月富士通株式会社に入社。1996年に日本ルーセントテクノロジーズ(米国元AT&Tの日本法人)へ転職。その後2度事業部ごと売却され、最後はイスラエル企業に所属。
1996年結婚を機に、所有していた香川県高松市郊外の戸建で賃貸を始める。1997年から妻の両親のそのままでは使えない不動産の整理整頓を抜本的に行い、賃貸マンション3棟新築、その際に立退、貸地トラブル解決、土地の等価交換、収益不動産の調達等とその手腕を発揮。
2004年2月4日に大家さんの為のお困りごと相談コミュニティ「大家さん学びの会®」を発足。この会から2008年に『絶対に「儲かる大家さん」になる実践バイブル』(日本実業出版社)を出版。現在、全国8拠点で定例勉強会&懇親会を行う。自身も個人・法人で賃貸経営を行う。2014年6月に会社員を卒業、大家さん学びの会®の勉強会の運営、メンバーサポートを行う。2014年からREITISS(物件購入から売却まで税引後キャッシュフローを分析するシステム)のマスター・コンサルタント。不動産投資で成功するメンバーを多数創出している。7棟の賃貸アパート・マンション、区分8、戸建て4の合計70世帯を運営中。
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