この記事は2026年10月21日(水)に「羊飼いのFXブログ」で公開された「西原宏一氏の現在の相場観とFXトレード戦略」を一部編集し、転載したものです。


FXトレード戦略
(画像=Anusa/stock.adobe.com)

2026年10月21日(水)の午前8時ころに、現役トレーダーの西原宏一さんから聞いた最新の相場観と戦略を紹介する。

西原宏一
青山学院大学卒業後、1985年に大手米系銀行のシティバンク東京支店へ入行。1996年まで同行にて為替部門チーフトレーダーとして在籍。その後、活躍の場を海外へ移し、ドイツ銀行ロンドン支店でジャパンデスク・ヘッド、シンガポール開発銀行シンガポール本店でプロプライアタリー・ディーラーなどを歴任後、独立。ロンドン、シンガポール、香港など海外ヘッジファンドとの交流が深く、独自の情報網を持つ。

現在の為替相場の傾向や相場観

先週の為替市場の最大のニュースは、AI関連株の急落でリスクオフになったのに、ドル買いが続かなかったことだ。

先週は、CoreWeaveの社債とCDSが急騰し、AI投資を支える「借金」に市場の目が向いた。

株式市場はリスクオフ。教科書どおりなら、リスクオフでは安全資産としてドルが買われる。ところが先週、ドルは逆に売られ、ドル指数は1カ月以上ぶりの週間下落となった。

主要通貨で最も強かったのはスイスフラン。米ドル/スイスフランは週間で約0.7%下落し、0.82台前半まで下げた。木曜と金曜の2日間だけで、フランは対ドルで1.4%以上上昇している。

世界の投資家は、AI投資を通じてドルを大量に持っている。しかも、為替ヘッジをほとんどかけていない。AIが崩れれば、株売りはそのままドル売りになる。先週は、その最初の兆しが見えた形。

一方、米ドル/円は動きが取れない。ドル売りの材料と、日米の金利差や原油高といったドル買いの材料が拮抗しているためだ。

現在の為替相場の戦略やスタンス

今後の注目は、AI関連株の売りが続くかどうか。

焦点は、日本時間22日(木)早朝のメタから始まるハイパースケーラーの決算。設備投資の計画が維持されれば、AI関連株はいったん落ち着くだろう。逆に、投資の抑制や資金調達への不安がにじむようなら、先週のリスクオフがもう一段進む可能性がある。

為替市場で大事なのは、そのリスクオフの「形」。

先週の値動きが示したように、今回のリスクオフでは、ドルは安全資産として買われていない。代わりに買われたのは、スイスフラン。

FTのジリアン・テット氏は、AI関連企業のCDSの上昇を「炭鉱のカナリア」と表現しました。先週のCoreWeaveのCDSの急騰は、まさにそのカナリアが鳴いた形だ。

参考までに、2008年の金融危機の前も、株が最高値を更新するなかで、住宅ローン債や銀行のCDSがじわじわと上がっていた。株が天井をつけたのは、信用市場で最初の事故が起きた後だった。すぐに株が崩れるとは限らないが、AIの「信用」に市場の目が向き始めたことは、為替にとって大きな変化。こうした環境では、ドルに対してスイスフランを買う形が、最も素直だと見ている。

ユーロについては、仏国の社会不安で仏独スプレッドが再び150bpを超えるなど、売り材料は増えている。ただ、投機筋のユーロの売りは、すでに大きく積み上がっている。追いかけて売るのではなく、戻りを待つ局面だと考えている。

今後も、AI関連株とスイスフランの動向に注目したい。

▽米ドル/スイスフラン 日足チャート

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(画像=羊飼いのFXブログ)

*:当記事は、投資一般に関する情報の提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。

羊飼い(ひつじかい) FXトレーダー&ブロガー
「羊飼いのFXブログ」の管理人。2001年からFXを開始。ブログで毎日注目材料や戦略を執筆配信中。トレードはスキャルがメインで超短期の相場観には自信あり。