「法人税減税」はキッカケにすぎない

法人税減税により地方への企業の移転は進むのだろうか。沖縄県が実施してきたコールセンターの誘致を例に考えてみたい。沖縄県は1998年よりコールセンターの誘致を掲げ、助成金を支給することで割安な人件費と相まってコールセンターの集積が進んだ。助成金だけでは当然コールセンターを誘致することは難しく、コールセンターの施設整備や、コールセンターに必要な通信インフラの整備、さらにはコールセンターで勤務する人材の教育等を実施することで、集積が進んだ。

また、2014年9月にはNTTドコモが新たなコールセンター「あんしん遠隔サポート沖縄センター」を50人体制で運用を開始し、沖縄県にコールセンターが根づいているといえる。同じように北海道はコールセンターではなく、データセンターの誘致を図り成功している。

法人税減税により企業を誘致するだけでなく、長期的に地域に根づいてもらうための策も必要だろう。しかも、4年間だけという期限付きではなおさらだ。誘致し、根づいてはじめてうまくいく。そういう考えでいけば、安倍晋三首相が掲げる「地方創生」のための法人税減税は形を変えたバラマキと写ってもおかしくはない。

「地方創生」が"本当に"うまくいくかどうかの長期的視点が安倍晋三首相に求められるのはこれからだ。

(ZUU online)

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