円安で韓国の観光ビジネスは大打撃

韓国人旅行者の増加により恩恵をうける日本経済とは対照的に、韓国を訪れる日本人旅行者は減少傾向にあり、韓国の観光産業は大打撃を受けている。韓国ドラマやアイドルグループなどの韓流ブームにより、日本人旅行者にとって人気だった韓国旅行。しかし、韓流ブームが一段落し、円安により韓国旅行の人気が低下した。日本政府観光局(JNTO)の統計によると、13年韓国を訪れた日本人は前年比21.9%減の274万7,750人。過去最高だった12年(351万8792人)を大きく下回り、300万人を割り込んでしまった。

韓国人旅行者を日本にひきつける円安ウォン高は、日本人旅行者の韓国旅行には大きなマイナス材料。12年上半期ごろまでは100円=1500ウォン台前後の水準だったが、円安の進行により900ウォンをうかがう勢いだ。急速に進む円安に、韓国政府も懸念を示している。朴槿恵(パクウネ)大統領は11月のG20首脳会議で「主要先進国の通貨価値の偏りは一部新興国の経済に負担になる可能性がある」と述べ、日銀による追加金融緩和を批判した。

日本人観光客の減少により、韓国観光への影響は深刻だ。大手のロッテ免税店では13年の日本人による売り上げが前年より30-40%減少。さらに航空路線にも影響は広がり、需要の落ち込みから、大韓航空は静岡-仁川線、アシアナ航空は大阪-釜山線の運航を中止した。

日本人観光客の落ち込みに頭を抱える韓国観光産業にとって、頼みの綱となるのは中国人観光客だ。これまで日本人が韓国を訪れる外国人旅行者数のトップだったが、2013年上半期に初めて中国人観光客数が日本人を上回った。消費意欲旺盛な中国人観光客が、日本人観光客の減少に苦しむ韓国観光産業の救世主となるか。

(ZUU online)

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