円安、中小輸出企業にとってデメリット大きい
東京商工会議所が都内の中小企業に実施した円安に関するアンケートによると、デメリットの方が大きいと回答した企業が約半数の49.1%に上った。それに対し、メリットが大きいとした企業は11.9%にとどまった。業種別では小売(63.1%)、卸売(63.0%)、製造業(50.6%)の3業種で、デメリットの方が大きいと回答した企業が各業界で半数を超えた。
その理由としては、仕入れ価格、原材料・部品価格、燃料価格の上昇などコストの影響を挙げている。意外な結果だったのは輸出企業で円安のメリットを感じている会社は36.4%と、デメリットが大きいと答えた35.5%と大きな差異はなかった。それは輸出を行っている企業数そのものが、海外の景気の影響などから減少傾向にあり、思うように輸出を増やせないために、中小企業が円安のメリットを十分に享受できていないのが背景にある。
中小企業の経営のカギは原油価格の動向
こうした中小企業の経営のカギと考えられるのが、原油価格の動向だ。足元の相場では、マーカンタイル取引所でのWTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)の原油先物価格が1バレル=40ドル台まで下落している。円安による調達コストアップに苦しむ中小企業にとって、原油安が円安のデメリットを帳消しにするプラス材料になる可能性がある。みずほ総合研究所の試算によると、円安が5%進み原油価格が20%下落した場合、中小企業の仕入れコストは原油安による効果が約9000億円で、円安による仕入れコスト増(約5000億円)を吸収し収益アップにつながるという。中小企業にとっては、為替相場とともに、原油価格の動向からも目が離せない。
(ZUU online)
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