住宅ローンの借り換えの前に知っておくべきこと

多くの人が住宅を購入する際、販売している不動産会社の提携先でローンを組んでしまっている。マンションや戸建を買ったという意識はあるものの、住宅ローンという商品を買ったと認識している人は少ない。そのため住宅ローンを一つの商品として見つめ直し、携帯電話のキャリアを変更するように、住宅ローンの銀行を変更する検討をしてみるのも良いだろう。

しかしながら、全ての人が住宅ローンを借り換えて効果が発揮できる訳ではない。借り換えに当たっては、新たなローンの抵当権設定費用やローン保証料等、50万前後のお金が発生する。そのため以下の3つの条件の内、いずれか1つでも該当していれば借り換えによる効果が発揮できる可能性がある。

1. ローンの残高が1,000万以上ある

2. ローンの残存期間が10年以上ある

3. 借り換えの前後で金利に1%以上の差がある

ここで、現時点では変動金利が非常に安いため、つい変動金利に目が言ってしまうがこれには注意が必要である。現在、変動金利に連動して固定金利も安くなっているが、変動金利が上がれば当然ながら固定金利もその時点ではもっと上がってしまっている。金利が上昇した時点で慌てて固定金利に借り換えても更に損をするパターンだ。そのため金利が低くこれから上昇局面が予想されるときは固定金利を選び、金利が高くこれから下落局面が予想されるときは変動金利を選ぶことが基本だ。

そのため借り換える場合のリスクヘッジとしては、変動金利で借りる額を出来るだけ少なくし、残りを固定金利で借りることだ。固定と変動の割合はローン残高や残存期間によっても異なるため、銀行に相談したベストマッチングをシミュレーションするのが良いであろう。ちなみに過去30年の固定金利の平均は約4%である事を考慮すると、全額固定金利で借り換えてしまっても十分お得感があると判断できるであろう。


繰り上げ返済よりも借り換え検討を

また借り換えには可処分所得の増加により、老後の資金を増やすことができるメリットもある。近年、繰り上げ返済をし過ぎてローン完済時に収入と貯金の両方が無くなってしまい、老後の生活が破綻してしまうというケースが見られるようになった。借金が嫌だからと言って繰り上げ返済し過ぎて、貯蓄を減らし過ぎるのは危険な行為だ。安い金利で借りられる時は借りてしまって、浮いたお金の中で老後の貯蓄を行うことが最適なマネープランとなる。借り換えをきっかけに老後の資金計画を見直してみるのも良いだろう。

(ZUU online)

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