物流系REIT活況首都圏物流施設の空室率が1年半ぶり低水準

2014年12月末のメガ倉庫と言われる大型物流施設の空室率は首都圏で3.8%と低水準になった。物流系REITの投資へも活況が続いている。一般社団法人不動産証券化協会によると、昨年の物流系の用途別不動産額は、2014年12月時点で約1.3兆であり前年同月の約1.1兆と比較すると約18%増加もしている。この増加率は昨年一番人気のあったホテルREITの用途別不動産額の増加率である24%に次ぐ増加だ。昨年のホテルREITの伸び率を考えると、物流REITもまだ上昇していく余力はありそうだ。


物流REITの特徴

物流REITの特徴は物件の立地が郊外にあることだ。一般社団法人不動産証券化協会によると、オフィスREITの不動産所在地分布においては、東京都の都心5区(中央区、千代田区、港区、新宿区、渋谷区)の割合だけでも57.6%であり、他のアセットタイプも同様であるが、物件は基本的に都心部に集中している。

一方で物流の場合は都心5区内の物件はほぼ無く、関東地区(東京都の除東京23区・茨城県・栃木県・群馬県・埼玉県・千葉県・神奈川県)が55.7%であり郊外立地が最も多い。REITが保有しているメガ倉庫は高速道路のインターチェンジの近くに有るため、物流REITの投資において、立地が悪いから投資をしないというのは早計だ。他のアセットタイプと違い、物流施設として好立地であれば賃貸需要は底堅いというのは理解しておく必要があるだろう。


倉庫需要の背景

さて、このような倉庫の賃貸需要は一時的なブームで終わってしまうものであろうか。現在、日本のメーカーによる生産量と消費量はかつての高度成長時代のように増えている訳ではない。そのため投資にあたっては何故、倉庫の需要が増えているのかという背景は理解しておく必要がある。