円安時代の金投資…為替が円安に振れると金価格はどうなる?


円安傾向と国内金価格の上昇

民主党政権下の2011年には1ドル70円台後半にまで円高となったが、アベノミクスで流れが変わり、2014年11月以降120円前後にまで円安が進んでいる。

この間、国内金価格は1グラム4,000円以上で、大きな流れでは上昇傾向にある。果たして、この円安と国内金価格上昇の流れは続くのだろうか。まず為替相場がどう動き、それが国内金価格にどのように影響するかを確認した上で、今後の見通しを考えてみたい。

なお国内金価格は、基本的には国際価格を為替相場で換算して決まる。もちろん、加工や投資などの需要、鉱山採掘などによる供給といった需給関係の影響を受けるが、ここでは為替相場の影響のみを考えるとする。


円安は上昇要、円高は下落要因

為替相場は、貿易代金決済や投資資金の流出入など、短期的にはさまざまな要因で動く。しかし中長期的には、二国間の通貨の量で決まるのが定石だ。 例えば、円が300兆円でドルが3兆ドルの場合、300兆円/3兆ドル=100円/ドルとなる。ちなみに、この理論値と実際の相場の一致度は、過去35年間の平均値で79.6%と高い。

以下、事例で考えてみよう。

日銀がデフレ脱却に向け通貨の円を増やすと、円は増えた分だけ価値が下がり円安に傾く。逆に連邦準備制度(FRB)が過度のインフレ抑制のため通貨のドルを減らすと、ドルは減った分だけ価値が上がりドル高に転じる。こうして円安ドル高になると、国内の金価格は上昇すると言われている。

さらにわかりやすい数値で解説しよう。(なお、国際価格はドル/トロイオンス、国内価格は円/グラムで表示され、1トロイオンス/31.1035グラムである。また国際価格は一定とする)

国際価格が1,000ドル/トロイオンス、円ドル相場が100円/ドルの場合、1,000ドル/トロイオンス×100円/ドル×1トロイオンス/31.1035グラム=3,215円/グラム。

例えば120円/ドルまで円安になると、1,000ドル/トロイオンス×120円/ドル×1トロイオンス/31.1035グラム=3,858円/グラム。

つまり、100円から120円への2割の円安で、国内価格も3,215円から3,858円へと2割上昇する。円高ドル安の場合は、国内金価格は下落する。同じ例で言えば、80円/ドルまで円高になると、1,000ドル/トロイオンス×80円/ドル×1トロイオンス/31.1035グラム=2,572円/グラム。つまり、2割の円高で国内価格も2割下落する計算だ。