今後の為替相場と国内金価格の見通し

それでは為替相場はどうなるだろうか。

日本は昨年4月の消費税増以降、実質GDPは2期連続で減少した。食品・エネルギーを除く消費者物価上昇率についても、増税の影響を除くと、昨年11月には0.1%とマイナス寸前まで下がっている。

そこで日銀は追加の金融緩和を決め、前年同月比で10月の36.9%から12月は38.2%と、通貨量を一層増やした。それに伴い、円ドル相場は月末終値で10月の112.30円/ドルから12月の119.68円/ドルへと円安ドル高が進んだ。

一方アメリカは、実質GDP成長率が昨年第2四半期で4.6%、第3四半期で5.0%と好調で、同様の消費者物価上昇率も1%台後半とほぼ適正である。FRBは、昨年量的緩和第3弾を終了し、今後は利上げの可能性が高い。これも円安ドル高の要因となる。

今後も日本の金融緩和とアメリカの金融引締による円安ドル高の流れが続く可能性が高い。ということは国内金価格が上昇すると見込まれる。もちろん、冒頭のとおり為替相場以外に需給関係の影響もあっての価格だ。仮に円安ドル高であっても、需給悪化が災いして国内金価格が下落する場合もあり、諸手を上げて喜べるというわけでもない。金に投資をする場合は為替状況を確認しながら、慎重に事を進めていくことが肝要だ。

(ZUU online)