大阪圏の不動産市況は、2014年度の基準地価では全地域平均で前年比0.4%の上昇となったが、価格上昇の原動力となったのは都心部の商業地だ。日本一の高層ビルとなった『あべのハルカス』など大阪市内での再開発計画が市況活性化のエンジンとなったのは間違いない。しかし、これから注目されるエリアとして話題となっているのが大阪北部に位置する万博記念公園の周辺エリアだ。
今秋、大阪の新しいランドマークが誕生
大阪・万博記念公園周辺では大型施設の建設が進んでいる。中心となるのが、今秋には三井不動産 <8801> が開発する『(仮称)エキスポランド跡地複合施設開発事業』だ。エンターテイメントとショッピングを融合させた新しいタイプの複合施設を目指している。
昨年7月に三井不動産が発表した内容によると、同施設では、海遊館が手がける新しいタイプの水族館が決定したほか、日本最大級の観覧車、エンターテインメント空間の中で英語を学べる施設、人気キャラクターをテーマにした体験型の日本初の“エデュテイメント”施設、大自然を五感で体感する映像施設や日本最大級の超大型スクリーンを備えた最新鋭のシネマコンプレックス等を誘致する。
またショッピングゾーンには、話題性の高いファッションや雑貨、世界各国の食や地元大阪の食など、日本初出店や関西初出店の店舗を多数取りそろえる予定だ。現地では工事も進み施設本体が姿を見せ始めているが、出店ブランドなどの詳細情報は未発表。本格的な情報公開が待たれる。
隣接地ではガンバ大阪の新スタジアムも建設が進む
この複合施設の隣接地では『(仮称)吹田市立スタジアム』が建設中だ。Jリーグ『ガンバ大阪』の新しい本拠地となる予定で、市民や企業からの寄付により建設資金を集めていることでも注目されている。今年1月時点では100億円を超える寄付が集まり、助成金と合わせることで建設資金のめどが立った。
こちらも今秋に完成が予定されており、サッカーだけでなくイベント等での利用も想定されている。隣接する2つの施設を利用すればスポーツ観戦で盛りあがった後、ショッピングやエンターテイメントを満喫するという新しい消費行動にもつながりそうだ。
『太陽の塔』を世界遺産に! 外国人旅行客の人気も高まりそう
一方、万博記念公園では、そのシンボル『太陽の塔』の内部公開の準備が進められており、さらに世界遺産登録を目指そうという動きもある。大阪府の有識者審議会が答申をまとめたもので今年2月の府議会で提示され大阪府がとりまとめる予定だ。大阪万博開催50周年となる2020年度には記念イベントを開催し、海外からの観光客も含めて集客を大幅に増やす目標も掲げられている。
万博記念公園は高速道路の吹田JCにも隣接し、近畿自動車道を利用すれば関西国際空港からも約1時間と広域アクセスの面でも優れた立地特性を持っている。ここ数年、関西国際空港はLCC各社の増便もあり外国人旅行客が大幅に増加しているが、万博記念公園エリアは国内の観光客に限らず、海外からの観光客にも注目される新しいスポットとなりそうだ。世界遺産『太陽の塔』を見学し、水族館や観覧車というエンターテイメントを楽しみ、日本のお土産をショッピング・・・という定番コースが誕生するかもしれない。今後、多くの話題を集めることになるだろう。
(ZUU online)
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