阪急百貨店と阪神百貨店を有する、エイチ・ツー・オー リテイリング(H2O) <8242> の1月売上高は、前年同月比2.7%増だった。2014年7月以降、7カ月連続で前年実績を上回った。旗艦店の阪急うめだ本店が6.7%増、阪神本店が1.8%増と好調だ。
三越と伊勢丹を有する三越伊勢丹ホールディングス <3099> も1月の売上高は、前年同月比0.4%増とわずかではあるが、増加した。こちらも、2014年7月以降、7カ月連続で前年実績を上回っている。 一方、大丸、松坂屋を有するJ.フロント リテイリング <3086> の1月の売上高は、前年同期比2.2%減だった。前年実績を5カ月連続で下回った。また、高島屋の1月の売上高は、子会社を含む17店合計で前年同月比1.4%減で、2カ月連続で前年実績を下回っている。
勝ち組と負け組の差は?
H2Oと三越伊勢丹が共に7カ月連続で前年実績を上回っているのに対し、Jフロントと高島屋は、5カ月あるいは2カ月連続で前年実績を下回っているという実態を見ると、消費税増税による影響というより、既存店の状況や企業戦略の違いによる差が出てきているといえる。というのも、H2Oリテイリングは、前年業績を上回っているが、前年業績上回っているのは、阪急うめだ本店と阪神本店だけで、他の支店は前年比マイナスである。また、三越伊勢丹も三越銀座店以外は全て前年業績を下回っている。
一方、Jフロントリテイリングは全体では前年業績を下回っているが、大丸心斎橋店、大丸梅田店、大丸東京店、大丸札幌店は前年業績を上回っている。高島屋も全体では前年業績を下回っているが、高島屋大阪店、高島屋日本橋店、高島屋新宿店は前年業績を上回っている。
つまり、全体を数字で見ると、H2Oリテイリングと三越伊勢丹が勝ち組で、Jフロントと高島屋が負け組となるが、個別店舗で見ると、むしろJフロントリテイリングと高島屋の方が前年実績を上回っている店舗が多いのである。これら店舗の特徴をみると、東京や大阪といった大都市圏の店舗が好調なのがわかる。