2月12日、ビール大手3社の2014年12月期連結決算短信が発表された。


アサヒビール売上高好調

15期連続最高益のアサヒグループ <2502> は、前期比3.6%増収の1兆8,500億円、純利益8.5%増の750億円。『アサヒスーパードライドライプレミアム』、新ジャンルの『クリアアサヒ』『クリアアサヒプライムリッチ』、期間限定商品『クリアアサヒ摘みたてホップ』の販売が好調であった。9月には発泡酒『アサヒスーパーゼロ』を投入し、酒類販売を充実させている。配当性向で30%を目処に安定的な増配を行っているが、2014年12月期は利益剰余金を原資に2円増配を実施し、年間45円普通配当とする。今期も3円増配の48円の普通配当となる予定。

今期もビール業界トップシェアを維持し、さらにビール以外の酒類、飲料、食品事業のライナップを充実させることで、売り上げ拡大を狙う。今期通期は3.6%増収8.5%増益の、売上高1兆8,500億円、純利益750億円を目指す。なお、前年に引き続き自己資本比率45%をキープしている。


特別要因で62%減のキリンHD

一方キリンHD <2503> は、ビール類及び清涼飲料の販売が不調で、2.6%減収の売上高2兆1,957億円であった。医薬事業での薬価基準の引き下げや、キリン協和フーズが連結対象外となったこともマイナス要因であった。純利益は、62%減の323億円。これは、前期株式譲渡による投資有価証券販売益を計上していたことにより、今回大幅減少率となった。発泡酒カテゴリーではヒット商品『淡麗プラチナダブル』をだし、低アルコール飲料の販売は好調である。

2015年12月期は、これまでの中期計画からの乖離を埋めるべく、組織を強化し、売上高2兆2,700億円(3.4%増)、営業利益1000億円(2.1%増)、純利益400億円(23.5%増)に挑む。なお、キリンは、発行済株式総数5.28%にあたる5100万株(普通株式)を2月27日に償却することを決定した。償却後の株式総数は、9兆1400万株となる。


ビル解体費用と酒税で大幅減益のサッポロHD

サッポロHD <2501> であるが、2014年12月期売上高は前年を上回り5,187億円となったが、純利益は3億4,000万円で前期比96.4%減少した。国内酒類事業は「ヱビス」「サッポロ生ビール黒ラベル」「麦とホップThe Gold」を軸に売り上げを伸ばしており、発泡酒も安定化しているが、海外事業において原料高騰と販売費の増加が響き、営業利益は4%減少。純利益では、固定資産売却益が発生したものの、「サッポロ銀座ビル」の再開発に伴う解体撤去費用等(23億円)と、国内酒類事業で「極ZERO」の税率適用区分修正に伴う酒税納付額の差額の支払い(116億円)を特別損失として計上したため、大幅減益となった。

2015年12月期は、国内酒類事業で基軸ビール・ブランドの価値向上と、ビール以外の成長分野への積極的な取り組みを図りながら、食品事業に注力する。「サッポログループ中期経営計画2014年-2016年」に基づき、「食のメーカー」として成長戦略を加速させ、持続的成長をめざす公算だ。通期予想は、売上高5.2%増の5457億円、営業利益163億円(10.7%増)、純利益80億円(23.5倍)を見込んでいる。同時に同社は、今期73億円の固定資産譲渡益が発生し、これを2015年12月期1Qに計上すると発表した。

(ZUU online)

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