昨年から投資家や自動車関係者の間で噂されていた Apple(AAPL.O)の iCar についての話題は Wall Street Journal紙が2月13日付で報道してさらに火がついた格好だ。同報道に対して、USA Today紙は、しかし、少し懐疑的な見方を2月15日付の記事で示している。

Apple の野心的な iCar プロジェクトは、コード名「Titan」としてすでに、ネット上で情報が出回っているようだ。漏れ出してくるこうした情報によれば、数百人のエンジニアが、「Titan」プロジェクトのために確保されて、秘密プロジェクトとして推進されているのだという。

お馴染みにスマートフォン「iPhone」やウェアラブル端末「Apple Watch」のようにデザイン性に優れ、マニュアルも不要なシンプルで使い勝手の良い製品コンセプトを Apple は本当に、自動車の世界でも出せるのかについて、USA Today の記事は疑問を呈している。

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同記事では、具体的な製品像はまだ見えていないとした上で、想像上の iCar を評価。「まだ何の具体的製品像が見えてないが、iCar を想像するに、音楽やレストランのレビュー情報を提供するお馴染みのSiriが自動運転バージョンとして登場し、キュートでボタンの少ない電気自動車を制御する、そしてそれは環境にも素晴らしい」と持ち上げている。

さらに、「Appleはアップルストアでのオシャレな展示が得意だが、アップルストアに車を持ち込むスペースなんてあるんだろうか?」とおどけた質問もしてみせた。

さらに、米証券会社の Piper Jaffray のアナリストである Gene Munster 氏の考えを紹介。「iCar が現実になるまでに最低でも5年以上はかかるだろうと見ている。Appleにとって重要なのは、投資家に対して自動車への可能性が時計やテレビと同じようにAppleにとっての大事な何かである事をアピールすることだ」とのコメントが紹介された。

「なぜ今それが必要なのか?」という質問に対しても、2月10日の報道にあったように、Apple の株価が7000億ドル(約84兆円)に到達。今回の情報はそれ以上の勝利の可能性を残すプロジェクトがまだ Apple にはある事を投資家達に期待を持たせたかったのではないかと同氏は予想しているという。

トヨタの純利益以上を稼ぐAppleの自動車産業への計画に対して戦々恐々となっていた日本の自動車メーカーにとって、この記事で少し胸を撫で下ろしているかもしれない。

(ZUU online)

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