スカイマーク「焦りが招いた悲劇」改めて紐解く会計上の課題-

(写真=Thinkstock/Getty Images)

1月28日、スカイマーク <9204> は自力での経営再建を断念し、民事再生法を申請する方針を固めた。投資ファンドのインテグラルが当面の資金を融資する方針で、運行や燃油費などの支払は継続する。突然の大手航空会社の経営破たんはなぜ起こったのであろうか。改めて会計的な視点で課題を紐解く。


エアバス社からの解約違約金の請求

スカイマークは、第3四半期有価証券報告書(2014年4月1日〜2014年12月31日)において、『継続企業の前提に関する重要な疑義が生じている旨』の記載を行った。これは1年以内に資金ショートが発生する可能性が高いことを意味している。その原因は、2011年2月18日にエアバス社と締結したA380型機計6機の購入契約で、スカイマークはこの契約の解除について多額の解約違約金を請求されている。なぜこのような事態に陥ってしまったのか。順を追って説明する。


スカイマークの経営状況

2014年3月期の決算では、純損失18億円(前年純利益37億円)の5期ぶりの最終赤字となっている。売上高は前年とほぼ同額の859億円であった。

収益率の低下要因として事業費の大幅な増加がある。使用航空機数の増加に伴う航空機材費が43億円増加(前年比37.1%)、新型機の導入に伴う運航乗員訓練費が1億円増加(同21.9%増)、為替相場の高止まりに伴う燃料関連費が30億円増加(同12.7%増)などにより、事業費が76億円増加(同9.9%増)している。前年の売上から事業費を差し引いた『事業利益』は84億円であり、事業費の増加で本業の利益がほとんど吹き飛んだことになる。

2014年3月期の貸借対照表(B/S)にも注目したい。同社の資産を見るとA380型機導入に伴う「建設仮勘定」が91億円増加、800型機、A300型機導入に伴う預け金が28億円増加、運航乗務員の訓練施設に係るリース資産の増加17億円、A300型機の航空機材の増加14億円、A380型機の訓練装置に伴う機械装置の増加11億円など新型機導入に伴う資産増加額が合計161億円にのぼる。それと引きかえに、現預金は前年度末よりも160億円減少しているのだ。

同社の財務諸表からは、路線拡大に向けて新型機の導入へ一気に舵を切っていたことがわかる。