社有社宅と借上社宅

また同じ福利厚生費では、社有社宅と借上社宅でどちらの方が、軍配が上がるだろうか。社有社宅と比べると、実は借上社宅には以下のようなさまざまなメリットがある。

①初期投資額が低い
②移転や撤退に機動的に対応できる
③立地や間取りを選べる
④減損リスクを回避できる

これらを踏まえれば、借上社宅の方が会社側にとってはなにかと都合がいいのである。

その他の福利厚生費の効果

最後に、この福利厚生費について、もうひとつ上手な使い方を加えておこう。

福利厚生費として処理される支出にはさまざまなものがある。具体的には社宅、自社施設の利用、社員旅行、クラブ・サークル活動等に支出した費用などだ。このなかでも一番使い勝手がいいのが、社員旅行だ。

借上住宅の福利厚生費は毎年毎年の節税効果を生むが、単発で大きな利益が出た年には対応しにくい。そこで、大きな利益が上がりそうな年には、思い切って豪華な社員旅行を実施し、福利厚生費で費用計上するのだ。そうすれば単年で大きな節税効果が生まれ、さらに社員の士気も大いに向上する。バブル崩壊後、福利厚生費といえば無駄な費用と思われ続けてきたが、これらの節税メリットを考慮して、一度自社の制度を見直してみてはいかがだろうか。(経営者 online)