インバウンド消費を牽引するのは中国観光客

訪日外国人の中でもインバウンド消費に大きな影響を与えているのが中国人観光客の存在だ。年間5600億円の消費はインバウンド消費全体の25%にあたる。量販店や百貨店にとって、中国人観光客をいかに取り込むことが出来るかが大きな課題になりつつある。2014年における韓国での中国人観光客の消費額は18兆6000億ウォン、日本円にして2兆円強となっている。政治的には関係性が改善されない状況が続いているが、中国人観光客の来日促進が実現すれば、この市場は今よりも大きく成長する可能性がある。


都内の主要百貨店の売上げも訪日外国人増加で上向き

三越伊勢丹ホールディングスが発表した2月の売上高速報によると、中国の春節(旧正月)の大型連休を受けて訪日観光客の来店が急増、免税店の売り上げは前年比3倍に伸びている。特に旗艦店(新宿、日本橋、銀座)の中で銀座が25%増を記録しており、中国人観光客が銀座に集中していることがわかる。


百貨店各社は外国人旅行者の利用促進で売上げの底上げを狙う

百貨店各社では訪日外国人観光客の利用拡大をはかるため、全国的に免税カウンターの拡充などの環境づくりを始めている。また、免税手続きをスピーディに行うためグローバルブルーの免税システム導入を進める店も増加している。小田急百貨店新宿店では免税カウンターを化粧品売り場に移設してその規模を2倍に拡大、松屋銀座では食品売り場に免税カウンターを移設して利便性を高めている。

さらに高島屋では大型店を中心として通訳の数を42名から56名に増員し、テレビ電話を使った通訳サービスも地方店を中心に順次拡大している。大丸松坂屋では昨年10月からPOSシステムと連動して免税システムが稼動するように改定した。販売が長年低迷してきた百貨店各社において、インバウンド消費による売上げ底上げ策の重要度は増している。2020年のオリンピックに向けてそのサービスレベルはより向上することが予想される。(ZUU online 編集部)

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