最近メディアにインバウンド消費という活字を見る機会が多くなってきた。インバウンド消費とは、日本に訪れた外国人観光客による消費活動を示す。独立行政法人国際観光振興機構(通称日本政府観光局)発表によると、外国人観光客の訪日数は、2014年で前年比29.4%アップの1341.4万人、国別だと台湾、韓国、中国の順に多く、伸び率で言えば中国が83.3%と高い伸びを示している。


訪日外国人増加背景は円安の恩恵

訪日外国人が急増している大きいな要因は円安だ。為替水準がドルベースで見ても昨年だけで2割以上円安に傾斜しており、外国人観光客の購買意欲を刺激している。注目すべきポイントは観光客の買い物代が宿泊代を上回り消費額で1位になったことだ。2014年には過去最高の2兆305億円を記録している。全国百貨店の年間売上額が6.2兆円で東京と横浜の百貨店の年間売上げ規模が1.9兆円強であることを考えれば、この数字がいかに大きいかうかがえる。


免税対象が拡大した昨年10月以降さらに加速

2014年10月から菓子や医療品、化粧品などが免税対象品として拡大されたことも訪日外国人の消費を促している。日本百貨店協会によれば昨年10月以降、インバウンド消費の効果が大きく、単月で売上100億円を突破する規模となっている。長年販売低迷を続ける百貨店業界にとっては、救世主的な役割を果たす存在とも言える。