(写真=ZUU online 編集部)
クラウド型会計ソフト「MFクラウド会計」 をはじめとするビジネス向けクラウドサービス「MFクラウドシリーズ」や、個人向け 自動家計簿・資産管理サービス「マネーフォワード」 などお金に関するプラットフォームを提供するマネーフォワード(Money Forward, Inc.)が4月末に開催した「MFクラウド Expo 2015」。MFの辻庸介代表取締役社長CEOや、今やIT分野の有識者と認められている堀江貴文氏に加えて、世界的なビジネスオピニオンリーダーである大前研一氏が講演するなど、最新のビジネス事情についての知見が共有された。
大前氏はその中で、経営コンサルタントとしての豊富な経験や、幅広い調査から、21世紀の経営者が踏まえるべきことや、使うべきツールを紹介。1990年代後半の執筆活動から蓄積してきた、サイバースペース内のプラットフォームに富が蓄積されることや、グローバル化などの基本的な条件に改めて言及するなど、幅広く解説した。今回はその、大前氏の講演の全体を 前編 、 中編 、 後編 にわけて紹介する。以下が大前氏の講演だ。
21世紀の経済は「見えない大陸」
21世紀と20世紀とどこが違うのかということを、何十年か書いてきています。ちょっと古い本ですけれどもまずは、『「新・資本論」--見えない経済大陸へ挑む(The Invisible Continent: Four Strategic Imperatives of the New Economy)』という本を14〜15年前に書きました。その本で、どういうことを書いたかというと、21世紀の経済って実は見えないんだ、見えない部分が多いんだよねということです。
20世紀というのは要するに、見えている経済でした。モノとか土地とか、そういうふうな見えている経済であるのに対して、21世紀を構成する経済要素っていうのは4つありますと。従来通りのリアルな経済と、もうひとつはサイバースペース上でもって富が築かれるということを書いたわけです。
この中で私はですね、世界で初めてだと思いますけど、富はプラットフォームに作られるんだと、プラットフォームというのがサイバースペースに出現して、そこの上で富を作ると書きました。今では、アメリカのビジネススクールなんかでもプラットフォーム戦略なんて言うのを教えていますが、プラットフォーム上で富が作られるんだよと言ったのは、この本が最初です。当時、できたての色々なサイバー企業を見ていて、これはプラットフォーム、プラットフォームっていうのは人が寄ってきて、そしてみんながさらに集まるところで、こういう風なものが富をもたらすことに気がつきました。
サイバースペース、しかもここは、見えない大陸ですから、杭を打ってテリトリーを主張したものが勝つんだというようなことで、まあ西部開拓史と非常に似ているという、そんなことを書きました。