「タコベル」にはアメリカ本国やハワイで体験した層などから日本上陸を待ち望む声も多かったようで、「前回とは全く市場環境が違う」(同)とされている。

また、「シェイク・シャック」は“こだわり"を売りとしている本格的なハンバーガーを提供する。こちらは、ハワイアンバーガーショップの「クアアイナ」や大人のためのハンバーガーで人気の「ヴィレッジヴァンガードダイナー」、個人オーナー店などのいわゆる「グルメバーガー」の流れだ。“ファースト"ではなくても、おいしいハンバーガーを食べたいというニーズがあり、単品で1,000円以上のメニューでも好調に売れている。

ただ、もちろん海外で話題のお店を日本に誘致するだけでは、ビジネスとしては成り立たない。これまでも数多くのチェーン店が「上陸→撤退」を繰り返しており、むしろコンビニやカフェチェーンといった新たな競合とも戦うため、明確な戦略が求められる時代となっている。


—成功の秘訣とは?

新店ラッシュが相次ぐ中、既存のファーストフード店の落ち込みは深刻で、14年度は「マクドナルド」「モスバーガー」も厳しい業績が続いている。

新規チェーンを成功させるには、「差別化」「出店場所」がキーポイントとなる。現在のファーストフード店の厳しい競争を考えると、原材料のこだわったメニューなどさまざま要素が考えられるが、現在の大手チェーンとの違いを明確に打ち出すことがまずは必要で、さらに一度試して終わりとならず、リピーターや常連客を生み出すように満足度を上げる仕組み作りも欠かせない。

また、出店の場所も重要だ。ここ最近のトレンドとして出店するエリアが店のイメージを決めるというケースも多い。都内でみると、ポップコーン店やパンケーキショップなど人気のスイーツ店は表参道に集中しており、1号店は違う場所に出店し、その後表参道に参入するというケースも少なくない。