半導体メーカーの国内大手のルネサスエレクトロニクス <6723> は振るわない業績に長らく苦しんできたものの、同社の事業についても光明が差し始めている様子だ。通期での最終黒字を計上するとともに、新たな動きとしてM&Aに巻き込まれる観測も出てきているなど、今後の事業展開にさらに注目が集まりそうだ。


純損続いたルネサスが漸く最終黒字

そもそもルネサスが現在に至るまで、一筋縄だったわけではない。もともと三菱電機 <6503> と日立製作所 <6501> の半導体事業が独立し、NECの子会社だったNECエレクトロニクスが一つになり、2010年に、現在の同社の骨格が作られた経緯がある。

一方、ルネサスエレクトロニクスとして事業を開始してからは、通期の純損益としては、赤字が続いていた。

ただ、同社が単に現状を放置していたわけではなく、その成果もいよいよ出始めている。というのも、5月18日に公表した、ルネサスエレクトロニクスの2015年3月期の決算では、現在の形で同社が経営を開始して以来初となる、通期での純利益を計上する運びとなったのだ。

業績の内訳としては、売上高が7911億円となった。営業損益は1044億円、経常損益も1053億円。前期には経常損益が約53億円となっていたものの、純損失を計上していたが、今期についてはようやく824億円という純利益を計上するという結果に落ち着いた。

結果が出始めた今回の決算を踏まえて今後の展開に期待がかかりそうだ。


次の動きはM&A?米半導体・アバゴによる買収観測が浮上

同社もすでに、最終黒字を計上した決算を経て、周辺では次の動きも起こりつつある様子で、M&A関連の動きがあるとの観測が浮上している。

というのも5月18日、米半導体メーカーのアバゴ・テクノロジーズが買収を視野にルネサスに接触したとの報道がロイターからもたらされたのだ。事業体制の整備を進めてきたルネサスとしても、次の具体的な動きにつながるか注目されそうだ。

ただ、その道のりは簡単ではなさそうで、ルネサス以外にもザイリンクス、マキシム・インテグレーテッド・プロダクツといった企業も、アバゴの買収を検討している対象企業として挙げられている。

ロイターによれば、アバゴは複数の投資銀行と協議しており、100億ドル以上の支出となる可能性もあるという。(ZUU online 編集部)

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