世界初の雪冷房マンション

北海道美唄市では、99年に雪を使った“世界初”の雪冷房マンション「ウエストパレス」が誕生し、話題となった。

マンション脇に設けられた貯蔵庫に、冬の間積もった排雪を貯め、夏の冷房に利用する。保存した雪を強制的に融解させ、全室に設置した風量調整つきのファンコイル型ユニットから冷風を提供する。

同マンションではこの仕組みにより、シーズン中の冷房費はエアコンの3分の1に抑え込むことができたという。当初800万円と見積もっていたシステム予算は2000万円に膨らんだが、建物のランニングコストはほとんどかからなくなったという。

さらに雪には除菌作用や除湿作用があることが分かっており、クリーンでさわやかな空気を提供できるため、長時間冷房をかけていたとしても体に負担が少なくて済むという。

こうした取り組みは、すでに全国で広がっている。

豪雪地を多く抱える新潟県もその一つ。同県では雪室付き雪冷熱エネルギーシステム住宅の普及を全県的に支援、05年度より「雪冷熱エネルギー住宅基本設計」を作成、(県が把握しているだけで)数十軒が建っているという。