驚異の低電力消費雪を使ったデータセンター

注目を集めているのはデータセンターとしての雪の利用だ。

データセンターとはインターネットのサーバーといわれる大型コンピュータや通信機器などをまとめておく施設。ネットなどの進展によりデータセンターは大型化しており、その機器から発せられる熱が誤作動を生む可能性があると問題となっていた。

「北海道グリーンエナジーデータセンター」の試算では、札幌に雪冷熱システムを活用したデータセンターをつくった場合、東京の同規模のデータセンターに比べ、電力消費削減率は実に89・8%にのぼるという。さらに温室効果ガスの排出量も89・9%削減とほぼ同率の効果が期待される。

前出の美唄市では、雪の冷熱システムを利用した「ホワイトデータセンター」を計画中で、電力コストの9割ダウンを目指している。

雪の冷却機能を丸ごと利用する「人工雪山」の利用も広がりつつある。北海道の沼田町では5000tの巨大な人工の雪山をつくり、地域一帯でカスケード(多段階)利用する「雪山プロジェクト」を展開している。

例えば雪山の雪を溶かし、その融雪水をパイプを通じて農産物の生産施設や公共施設等に送る。また雪山を切り崩し、雪そのものを農産物貯蔵施設等に搬送して利用する。

同町は低温貯蔵した米や椎茸などを「雪中米」「雪中椎茸」として出荷し、人気を博している。