ドラッグリポジショニングとは?

そもそも一般的には、「ドラッグリポジショニング(DR)」は医薬品の本来の適応疾患ではない疾患に対して薬効を示すことを明らかにし活用することとされている。最近では、アバカビルの応用だけではなく、多くの医薬品が再評価されている。身近な例は「バイアグラ」だ。本来は冠動脈拡張剤として開発されたが、偶然に男性性器の勃起作用が確認され、その後ED治療薬として認められるようになった経緯がある。

現在、製薬産業は、巨額の研究開発費をかけているにもかかわらず、新薬開発の行き詰まりで喘いでいる。その理由としては、新薬の標的となる疾患分子の解明が停滞していることなどがある。さらには、安全性を求める声へ対応する必要性からコンプライアンスが厳格化したり、新薬と承認する際の規制当局の基準も厳しくなったりしていることがあるとされている。

その中で、DRの対象となる医薬品や化合物については、すでに治療薬として使われている実績があり、研究開発コストが大幅に抑えられるという利点がある。そのことから新薬開発のプロセスでもスキップできるものが多く、開発時間も大幅に削減することが期待できるのだ。つまり、新薬で求められる研究開発での試験の大半を終了していることから、大幅なコスト削減が見込めるのだ。

ちなみに、白血病への有効性もありそうなアバカビルについては、「300mg 60錠」で約9万9000円と決して安くはなく、英製薬大手の1社であるグラクソスミスクラインだ。アバカビルが白血病の治療にも使用されるようになれば、業績に好影響を与える可能性もあり、各国・各地域で承認を得られるかなど、今後の同社の動きも追いかける必要がありそうだ。(ZUU online 編集部)

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