飲料大手のサントリー食品インターナショナルは25日、JTの自販機事業を1500億円で買収すると発表した。

今年2月にJTが飲料事業から撤退すると表明してから、どの飲料メーカーが競り落とすか様々な憶測が飛び交ったがついに決着がついた。1500億円という巨額の買収金額が動いた背景には、少ないパイを奪い合う飲料メーカーの攻防と、戦いを制したサントリーの思惑とは?


飲料業界で自販機が重要なワケ

今回のJTの自販機事業譲渡については、ビール系メーカーを中心に飲料大手複数社がこぞって名乗りを上げた。いずれも自社の自販機を保有している大手ばかりだが、なぜ各社がそれほどまでに関心を寄せたのだろうか?

飲料自販機は現在、全国で約250万台展開されている。清涼飲料は、スーパー、コンビニ、ドラッグストアなどで販売されているが、自販機はその中でも、販売数量としては全体の約3割を占める重要なチャネル。ほかの売場では、定価はほぼあってないようなものだが、自販機は定価で販売される唯一の売場で、メーカーの重要な利益源である。