サントリーの思惑は?

サントリー食品インターナショナルは、現在業界第2位。13年7月に上場してから、鳥井社長は就任以来「2020年までに業界トップを取る」と公言し、拡大路線をしいている。

市場のシェアではトップのコカ・コーラグループのシェア30%に対し、サントリーは約20%と現在10%の開きがある。

新商品では昨年の「伊右衛門 特茶」や今年の「レモンジーナ」など新商品では快進撃を続けているサントリーでも5年という短期間でシェア10%を縮めることは容易ではなく、M&Aやアライアンスなどにも積極的な姿勢をみせてきた。

ただコンビニやスーパーなどの手売り販路では、新商品などの好調もあり、コカ・コーラに近づきつつあるサントリーであるが、自販機では依然として大きな差があり、台数アップはトップに近づくための大きな課題の一つだった。そのため、今回のJTの飲料事業撤退とそれに続く自販機事業の譲渡は、サントリーにとって千載一遇のチャンスであったといえよう。

自販機のシェアでみると、コカ・コーラグループが約83万台のシェア30%以上と断トツに強く、サントリーは49万台と約30万台の差があった。

JB社自販機は総数26万台で、そのうちメーカー機8万台を除く実質台数は18万台。今回の買収でサントリーは既存機と合わせ67万台となり、トップのコカ・コーラとの差を一気に縮めることになった。