1500億円は高い買い物?

さて、今回の取得金額については、事前からいくつか予測があったが、結果としては予想を大きく上回る1500億円という高額投資となった。一部では、自販機のほかに、JTの飲料主力ブランド「ルーツ」「桃の天然水」を「ワンパッケージ」で取得したことで、買収金額がつりあがったのではないか、と噂されている。

鳥井社長は25日に行われた会見の席上、今後の展開について、「総合飲料の提案」という言葉を繰り返した。当面はJB社のミックス機などのビジネスモデルは継続する予定で、「サントリーらしい付加価値を付け、さらに成長させたい」という意向だ。

JB社はミックス機のほか、カップ機や給茶機などを展開している。サントリーは昨年ポーションタイプの新しいドリンク「drop」を発売。今後このような濃縮技術を応用した商品などの提案も可能性がありそうだ。

今回の買収でサントリーはトップとの差を今回の買収で一気に距離を縮めた。とはいえ、自販機は増税後10円値上げしたことも影響し、昨年は5%減と大きくマイナスするなど厳しい環境だ。

同一ブランドでも自販機では容量を変更し価格を抑えるなど施策をスタートしているが、今後は自販機専用など商品の差別化や、数のメリットを活かした新たなサービスなどで活性化する必要がある。

1500億円となった今回の買収劇、高いとみるか安い買いとみるかは、今後の同社の手腕にかかっている。

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