「現状を積み上げる」「理想から描く」2つの思考法

そして、自信がついてきた2013年、6年以上働いた会社を辞めて、27歳で独立することに決めたんです。同じ会社の飲食事業でエースだった同僚もついてきてくれ、3人で立ち上げたのが「onakasuita(おなかすいた)」という会社です。最初は、元々考えていた通りに飲食店の経営から始めました。

すると、初月から黒字で経営することができ、その半年後には2店舗目を出しました。また、事業としては飲食事業だけでなく、マーケティング支援、商品開発、地域振興、企画開発の領域に広げていきました。

僕はやはり企画の仕事が大好きで、経営大学院でマーケティングを教えている方に出会い、師事するようにもなりました。それまでの僕のマーケティング手法は、現状を徹底的に分析して、その延長上にある解を導き出す「パスト・プッシュ」型でした。しかし、師匠からの教えにより、理想の状態から考える「フューチャー・プル」型の思考も身に付けることができたんです。

そして、理想を描きつつ、マーケティングの論理・分析の裏付もある企画を得意とし、大企業からの仕事も多く行うようになっていきました。また、マーケティングや企画の講師として、教える機会も増えていきました。

次第に、飲食事業は相方に完全に任せ、僕は企画の仕事に集中するようになりました。そして、同じくフリーで企画を仕事としているメンバー5人と、総合的にマーケティング支援や企画、クリエイティブの制作を行っていくための会社、「mannaka(まんなか)」を立ち上げることにしたんです。