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(写真=PIXTA)


先週の米国株式市場

■ギリシャ問題の不透明感などから小幅に下落

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先週の概況

先週の米国株式市場はダウ平均が週間で69ドル安となるなど主要3指数が揃って下落しました。週前半は中古住宅販売件数が市場予想を上回ったことや、ギリシャ政府が新たな改革案を提出したことを好感して米国株は堅調に推移しました。

ただ、ユーロの債権団がギリシャの提示した改革案に大幅な見直しを迫ったことで、再びデフォルト懸念が高まったことなどから週半ば以降に下落しました。

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米国株式市場バリュエーション

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業種別リターン

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ダウ平均採用銘柄 週間騰落率ランキング

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■上昇

ナイキ(NKE)は3-5月期の決算発表を行い、純利益や将来の売上高の指標とされる受注残がアナリスト予想を大きく上回ったことが好感され3%高となりました。また、ユナイテッド・ヘルス・グループ(UNH)は、医療保険制度改革(オバマケア)の一部の政府補助金の支給が合法であると最高裁判所が判断を示したことで今後の医療支出が増えるとの期待から買われ、2.4%高となりました。

■下落

半導体大手のマイクロン・テクノロジー(MU)の決算が大幅減益だったことで、インテル(INTC)も連れ安となり、週間で3.3%の下落となりました。


先週発表された主な経済指標

■中古住宅販売件数(年率換算) 5月 535万件 市場予想 526万件 前月 509万件

22日に発表された5月の中古住宅販売件数は年率換算535万件と市場予想の526万件を大きく上回り、2009年11月以来約5年半ぶりの高水準となりました。

冬場の販売件数が落ち込み、その後の回復も鈍く推移していましたが、ここへきて住宅市場は堅調さを取り戻しつつあります。住宅はそれ自体がGDPの構成項目に入っているだけでなく、家電製品等の購入など個人消費にもつながってくるため、住宅市場の回復は米国経済にとって非常に望ましい変化と言えます。

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今後発表される主な経済指標

■6月 雇用統計 非農業部門雇用者数 市場予想 23.0万人増 前月 28.0万人増
平均時給(前年比)市場予想 +2.3% 前月 +2.3%

7月2日(今回は木曜日発表)に6月分の雇用統計が発表されます。6月に開催された連邦公開市場委員会(FOMC)終了後の記者会見で、イエレンFRB議長は年内の利上げ開始が妥当であるとの意向を改めて示しました。

ただ、当然その判断は経済指標次第であり、FRBは①物価の安定②雇用の最大化の2点に責務を負っていることから、その2点がFRBの想定通りに推移することが利上げ開始の条件となります。今月の雇用統計では労働市場の量的回復の継続(非農業部門雇用者数が順調に増加を続けているか)、と質的改善の加速(将来のインフレ圧力となる賃金の上昇率が加速している)かの2点に特に注目が集まります。

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マーケットビュー

■ダウ平均は200日移動平均線まで調整か

先週のマーケットビューではギリシャ問題以外の材料がないことから、ダウ平均は1万8000ドルを挟んでのもみ合いではないかと記し、概ね想定通りの展開となりました。

今週の米国市場はISM景況感指数や雇用統計など重要な経済指標の発表が行なわれます。また、ギリシャが債権団の提案内容を国民投票にかけることを決定し、デフォルトの可能性が一気に高まったことから一旦リスクオフムードなることは避けられそうになく、少なくとも週前半は弱含んだ推移が想定されます。

株価調整局面でのサポートラインとなりやすいダウ平均の200日移動平均線が現在は1万7674ドルの位置にあり、まずはその水準への調整が目先の目安となりそうです。

ただ、足下発表されている米国の経済指標は堅調なものが目立ってきており、米国経済のファンダメンタルズは着実に改善に向かいつつあります。

ギリシャが例えデフォルト、ユーロ離脱となったとしてもその経済規模の小ささや欧州中央銀行(ECB)が受け皿を整えていることなどから、米国や世界の実体経済にリスクが波及する可能性は低いと言えます。一時的な不安感からダウ平均が200日移動平均線を割り込んで下落するようなことがあれば、それは買いの好機であると考えています。

益嶋裕
マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部

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