◆外需寄与度~輸出の落ち込みからマイナス幅が拡大
外需寄与度は前期比▲0.5%と2四半期ぶりのマイナスになり、1-3月期の同▲0.2%からマイナス幅が拡大すると予測する。財貨・サービスの輸出は前期比▲3.3%と4四半期ぶりの減少となった。
貿易統計における4-6月期の輸出数量指数を季節調整値(当研究所による試算値)で見ると、米国向けが前期比▲4.8%(1-3月期:同2.5%)、EU向けが前期比▲0.9%(1-3月期:同4.9%)、アジア向けが前期比▲5.1%(1-3月期:同1.8%)、全体では前期比▲3.7%(1-3月期:同0.3%)となった。
EU向けは1-3月期が高い伸びとなった反動もあり、米国向けは年初の寒波、港湾ストの影響が遅れて現れている可能性があるが、アジア向けは中国、その他新興国の景気減速を受けて実勢として弱い動きになっていると判断される。
訪日外国人旅行者の大幅増加を反映し、サービスの輸出は堅調だった(前期比1.9%を予測)が、財の輸出の大幅な落ち込みをカバーするには至らなかった。
一方、財貨・サービスの輸入は、個人消費を中心に国内需要が弱めの動きとなっていることを反映し、前期比▲0.8%と4四半期ぶりの減少となった。
斎藤太郎
ニッセイ基礎研究所 経済研究部
経済調査室長
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