買主側での注意点
新サービスではソニー不動産が売主側と媒介契約を結ぶが、買主側はどうなるのか、という疑問が起こる。買主は、契約と手数料と物件価格がどうなるか注意が必要だ。
パターンA）の場合は、不動産会社が介在しない。形式的にソニー不動産と媒介契約を結ぶことになっても仲介手数料も払わなくてよいのだろうか？または契約は売主と直接行うだけになるのか？現時点は契約と手数料がどうなるのかは不明だが、重要なので確認していきたい。
次に、売り出されている物件の価格についてだ。両手仲介を禁じているソニー不動産は売主側の代理人となる。それ自体の不動産取引としてはよいのだが、彼らの手数料は売却価格に比例するので、高く売ってもらった方が手数料も多く入る。すなわち、できるだけ高く売ることが、顧客にとっても自社にとってもメリットになる。
最近までソニー不動産の売却依頼を受けつけるランディングページやネット広告では「高く売れる」ということを盛んに喧伝していた。現在はそのような表現は確認できておらず、顧客が望む通りに売却戦略を立てて対応する（時間がかかってもより高く売るか、早く売ることを優先するか等）というように広告のトーンが変わっていきているようだが、購入者は、売りに出ている物件が、周辺エリアの相場よりも高すぎるようなことがないかは注意が必要だろう。
前述の通り、ソニー不動産は両手仲介はやらないため、仮に手数料を無料として買主とも仲介の契約だけは行うとなった場合、買手にとってのメリットがあるが、そうであっても物件そのものの価格が相場価格よりも高すぎることないか、契約時の重要事項などで見落としがないかは、通常の取引と同様に注意が必要だ。
