ビッグデータ
(写真=Thinkstock/Getty Images)

ビッグデータの活用がビジネスにおいて注目されるなかで、政府は、行政が保有するデータを二次利用が可能な形で公開して利用につなげ、新たな価値を創造するための「オープンデータ」の取り組みに力を入れている。

しかし、内閣に設置されたIT総合戦略本部が「電子行政オープンデータ戦略」を2012年7月に発表してから3年が経ったものの、「オープンデータを活用して経済や経営が良くなった」「製品がブレークした」という事例はなかなか聞こえてこない。一部では活用が広がっているのだが、オープンデータそのものの認知度が高くなっておらず、大きな課題といえそうだ。

オープンデータが推進されている背景には、行政の電子化がある。ビッグデータが、ビジネス・事業に役立つデータの抽出という側面に焦点が当てられているのに対して、オープンデータはより行政が主導し、広く社会に役立つ価値創造という点が重視される。


アピール不足? 横浜市では7割の事業所が「知らない」

2015年6月4日に開かれた「第10回電子行政オープンデータ実務者会議」の配布資料を見ると、政府や企業のオープンデータが増えている印象は受ける。

総務省管轄の「統計センター」は、オンデマンド集計に係る技術的検証等の実用化に向けた検討を実施中。厚生労働省管轄の「国立がん研究センター」では、死亡データ、罹患データ、将来推計データなどのデータ提供に取り組んでいる。環境省でも、「国立環境研究所」が気候変動、水循環・水資源、ごみ・リサイクルなど環境と社会にかかるデータベースを公開。JRや東京メトロ、JAL、東京都交通局、東京電力、関西電力、東京ガス、NEXCO東日本、NHK、郵便局、NTTなどの公益企業などでもデータ公開を進めている。

しかしオープンデータの認知度は高くなっていない。
横浜市が昨年12月、市内の1,000事業所(516事業所が回答)を対象に行った認知度調査では、オープンデータについて「詳しく知っている」がわずか0.8%、「ある程度知っている」が14.3%。対して「あまり知らない」が32.8%、「ほとんど何も知らない」が39.9%という結果で、つまり7割以上がオープンデータを知らないという実態が浮き彫りになっている(昨年12月実施の「第91回横浜市景況・経営動向調査」)。


ウェブアプリコンテストで不動産価格算出サービスが受賞

日本最大級をうたうウェブアプリケーション開発コンテスト「Mashup Awards」(MA)。内閣官房情報通信技術(IT)総合戦略室や総務省、経済産業省などが運営パートナーとして名を連ねるこのMAに2014年、「オープンデータ部門賞」が新設された。

オープンデータ部門賞は、オープンデータを活用したビジネスについて評価するもので、2014年の最優秀賞には、あらゆる地点・住所における不動産の価格を算出する「GEEO(あらゆる不動産の価格を予測します)」が選ばれた。既存ビジネスに対してオープンデータが付加価値となり得る事例として評価された。

またビジネス部門賞は、既に70以上の自治体が利用している「子育てタウン」が受賞。自治体が子育てに関する行政サービス情報を発信するためのWEBサイト、スマホ向けサイト」、紙媒体の3つを提供する自治体向けのサービスで、千葉市、大阪市、神戸市など全国78自治体の約2000万人(83万子育て世帯、2014年10月現在)にサービスを公開している。

オープンデータ化が進めば、日常生活に役立つ新しい形のサービスが生まれる可能性は十分にある。だが、前述の調査結果にある低い認知度を見ても、政府のプロモーション不足は否めない。新しい技術やサービスを生むためには、認知度を向上させ、理解を広めることがまず必要だろう。(ZUU online 編集部)

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