Spotify が50か国以上で人気を得た理由
定額制配信サービス成功の鍵とは何だろうか。海外で最も勢いのある Spotify の仕組みを考えると、「ライト層に新たな音楽習慣をもたらすこと」にあるようだ。ヘビーリスナー層は、CD や iTunes などのダウンロード商品を購入するケースが多い。
一方で、ライト層は、音楽にお金を費やさず、YouTube などの動画共有サービスで音楽視聴をすませてしまうことも多い。
Spotify は「無料で聴き放題」というプランを提供し、ライト層の取り込みに成功した。聞き放題にすることで、音楽の視聴時間そのものを増加させ、新たな音楽との出会いをもたらしたと言われている。
さらに、無料プランに満足したユーザーは、オフライン利用や高音質再生などの追加機能のため、1000円程度の有料プランにアップグレードしている。無料で十分音楽が楽しめるにも関わらず、ユーザーの2割が有料プランを利用している点から、Spotifyのサービスが支持されていることが窺える。
定額制音楽配信サービス普及の鍵はまだ不明
日本の音楽市場は特殊だ。市場自体は縮小傾向にあるものの、iTunesをはじめとしたダウンロード型サービスが海外で一般的になった後も、購入特典などの工夫によりCD販売が生き残っている。レンタルCDもまだまだ健在だ。
Spotify の「無料で聴き放題」プランが海外で成功しているからといって、日本で成功するとは限らない。定額制音楽配信サービスが普及するかどうかは、日本のユーザーにとって最も適したサービスを見つけられるかどうかにかかっている。
ジャストシステムが6月に実施した調査では、定額制音楽配信の利用に至らない理由として「サービスが出そろうまで様子を見たい」という割合が最も多かった。サービス提供者側も消費者側も、手探りの状態にあると言えそうだ。(ZUU online 編集部)
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