音楽ストリーミング
(写真= Thinkstock/Getty Images)

音楽配信サービスが群雄割拠の時代に入った。スマホなどを中心に、インターネットへの接続や動画・音楽の視聴環境が整う中で、各社とも音楽聴き放題サービスを投入している。特に、定額音楽サービスの展開が活発している。現在の見取り図を描き出してみたい。


大手通信も仕掛ける音楽サービス

国内の大手企業で先行するのは、通信会社だ。携帯通信大手のNTTドコモ <9437> もすでに動き始めており、「dヒッツ」として展開。最近公表されたJ-POPから懐かしの名曲まで、ヒット曲を含む約1000プログラムの聴き放題サービスだ。

また、KDDI <9433> も「うたパス」の名称で、定額制の聴き放題サービスを2012年6月から提供。最新J-POPからアニソン、カラオケ定番曲などの約200万曲を、独自編成のプログラムで提供している。月額300円と低価格路線を走っており、着メロや着うたといった、ケータイ向けの音楽サービスと同等の手ごろな価格で普及を図る構えだ。

KDDIバリュー事業本部新規ビジネス推進本部でauスマートパス推進部長を務める繁田光平氏は「音楽に非常に詳しい人であれば、自分で聴きたい楽曲を探し出せるが、多くの人には難しい。ラジオ型音楽ストリーミングサービスであれば、知識のない人でも気に入る音楽に出会うことができる。また、アーティストにプロモーションとして使ってもらいやすいサービスのため最新曲や人気楽曲が充実しており、幅広いお客様のニーズに応えられる」と特長について説明する。

さらに、米IT大手のアップルも当然、無視できない存在だ。iTunes という音楽プレイヤーを抱えているだけではなく、iPhone や iPad といった人気デバイスを保有しており、同社も「Apple Music」として定額の音楽ストリーミングサービスを提供している。月額980円の聴き放題プランと、家族で利用できる1480円のプランがある。日本国内でもサービス提供を開始しており、リードしていく存在になりそうだ。


続々登場するユニークな各社サービス

音楽配信サービスの競争に飛び込んでいるのは、通信会社だけではない。他業種からもユニークなサービスが続々と提供されている。

例えば、 5月27日にはサイバーエージェント <4751> とエイベックス・デジタルが AWA(アワ)の提供を開始した。また、6月11日には LINE が「LINE MUSIC」を発表。制限時間付き月額500円のプランと、月額1000円の聴き放題プランがある。学割のプランも提供されているのが「LINE MUSIC」の特徴だ。

従来と現在の音楽配信サービスの違いとしては、国内音楽レーベルの存在が挙げられる。これまでは、品揃えの不十分さが音楽配信サービス普及の妨げになってきた。AWA・LINE MUSICレーベル各社との提携に成功し、邦楽配信を充実させている。

国内のサービスに比べて邦楽の提供曲数が少ないものの、スマートフォンだけでなく、Mac やWindows でも同じように利用できるなど機能面で一歩リードしている。さらに、全世界50カ国以上、6000万人を超えるユーザーを抱える Spotify が日本展開を目論んでいるとの噂もある。

国内・海外のサービスが参入することで、一気に定額制配信サービスが普及する可能性が高まってきている。