モリソンズ
(写真=ZUU online編集部)

破産のドン底から見事返り咲いた男性が、英大手スーパーマーケット『モリソンズ』経営のコンビニエンスストア『Mローカル』を買収し、英国内で話題になっている。

ここ数年、英国内で急成長中のコンビニエンスストア市場で出遅れたモリソンズ。2011年からようやくレースに参加するものの、出店戦略が失敗し、今年初旬8億ポンド(約1480億円)におよぶ年次損失を報告。3月には『Mローカル』事業を売却し、本来のスーパーマーケット事業に専念すると発表した。

そこで新しい経営者として名乗りをあげたのが、英TV番組『シークレット・ミリオネアーズ』にも出演経験のあるマイク・グリーン氏。氏は20年前に27歳で破産後、ピザの配達などをしていたが、再起をかけ小売業で起業。自ら小売業コンサルタントを勤め、2011年に事業をビジネス情報グループ『ウィリアム・リード』に売却した。「事業で失敗した経験を活かす」本を執筆するなど、転んでもただでは起きない精神の持ち主だ。

そんなグリーン氏が、2012年に廃業した英大手電器量販コメットの出資元として知られている、グレイブル・キャピタルからのバックアップと、コンビニエンスストア連合会所属20年で培った自らの経験を活かし、多額の損失を出したコンビニチェーン店を復興させようというのだから、世間の注目が集まっても不思議ではない。

グリーン氏は「我々は、イギリスの卸業者から各店舗に、毎日商品が補充される効率的かつ低コストなシステムを、すでに何十年も前から確立しています。そのシステムを利用して、Mローカルを全く新しいチェーン店に生まれ変わらせるのです」と、自らの意気込みを英『ガーディアン』紙に語った。今回のMローカルのオーナー交代劇により、既存従業員2300名の契約継続に加え、新たに200名の採用が予定されている。

一方、モリソンズにとっては、店舗売却で3000万ポンド(約55億円)の損失、更にフランチャイズ店への“業績不振保険“の支払い金として、2000万ポンド(約37億円)の損失を出す結果となったが、最高経営責任者デビッド・ポッツ氏は、『ガーディアン』紙に対し「コンビニエンスストアの経営を通して、我々は非常に沢山のことを学びました。Mローカルの売却は残念としか言いようがありませんが、将来的に再びチャレンジする機会が訪れるかも知れません」と、若干肩の荷をおろした様子でコメントした。(ZUU online 編集部)

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