しかしながら、この投資信託は投資先を分散させるという意味では効果が低い投資信託となっている点には注意が必要である。通常の投資信託では、数十の銘柄を組み入れることで、ある企業の株価が低下しても他の企業の株価が上昇しているといったように、個々の企業の株価変動を打ち消し合うことで、ポートフォリオ全体のリスクを緩和させている。

それに対して、この投資信託では日本郵政グループ3社にしか投資を行わないため、そうした株価変動を打ち消し合う効果が少なく、投資先を分散させることによる効果も少ないと言える。

他にもこの投資信託はコストがかかることや、個別の売却ができないといった他の投資信託と同じデメリットもある。投資信託を購入する際には、それぞれの株式の購入と運用を代理で行ってもらうことになるため、それぞれ購入時の手数料と信託報酬と言われる運用の手数料等をコストとして個人投資家が負担しなければならない。

日興アセットマネジメント株式会社の発表資料によると、「日本郵政株式/グループ株式ファンド」では購入時手数料率に関しては1.62%以下を上限として販売会社が定める率となっており、明確には決まっていないようだが、信託報酬については年率0.6912%(税抜き0.64%)を運用会社に支払う必要があると書いてあり、その分投資のリターンも低下してしまうことになる。

また、3社への投資比率は運用会社に一任することになるため、個人投資家が3社の株式を個別に売却することもできない。そのため、3社のうち2社が堅調で、1社の業績が悪いということが分かったとしても、その業績が悪い1社のみを損切りするといったことができない。このように、個別での売却ができず、投資の自由度が低いという点も投資信託のデメリットとなる。


人によって条件は変わるので慎重に考えて検討したい所

このように、この日本郵政グループ3社に投資を行う投資信託は、メリットもあるがデメリットもある。人によって現在の投資先の状況や資金の余力度などに違いがあるため、実際に投資を行うかどうかを検討したいところである。(ZUU online 編集部)

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