株が下がりそうになったら株主優待で「ハガキ」をプレゼント
――まさかとは思いますが、上場後に利益確定の売り、或いは失望売りが殺到する恐れはありますか?
それは、さすがにないでしょう。たとえば、NTTはワンショットで数十万円儲かったわけじゃないですか。それがガンガン動かれると、やっぱり心配になりますよ。ただ、今回は1単位10数万円ですから、10%上昇しても1万円、2万円程度の収益の変動ですからね。1万5000円儲かったのが1万円になって、また2万円になって、という変動だったら慌てて売るような事態にはならないと思います。
むしろ、高い配当利回りを考えると、多少変動しても保有するメリットのほうが大きいと考えます。
そう考えると、需給面で「売る人は誰がいるんですか?」ということになります。通常の新規公開と違ってベンチャーキャピタルの売りはありません。そうすると売り方として考えられるのは、上場前に買った人だけです。だから、初値でマイナスになると少し苦しくなると思いますが、公開価格さえ割らなければそう簡単に売られることはないでしょう。
――郵政3社は、一部で国策銘柄とも言われますね。国が表立って何かを講じることはないと思いますが、どのような後方支援が考えられますか。
ゆうちょ銀行の預け入れ限度額の引き上げが考えられますね。自助努力だったら「株主優待で年賀状あげればいい」、それだけでも効果があります。株価が下がったら夏にかもめーる、冬に年賀状を送る。さらにいうと、その年賀状は個別で送る必要もありません。
要は、株主に送る手紙に同封して、「郵便局にこれを持って行ったら50枚と引き換えます」という券を入れておけば良いのです。在庫も必要ない。他の企業は、株主優待を送る送料がなんだかんだ掛かかりますが、郵政は自分で送るので郵便代がかかりません。送り放題です。もちろん、実費は掛かかりますが。でも、「郵政の実費ってどれくらい?」っていう話ですよね。
もらったハガキはチケット屋で換金できますからね。9掛けくらいで売れます。そう考えると、配当利回りが2%弱あって、優待利回りを少し良くしてあげたら、絶対株を手放さないですよ。マクドナルドがいい例で、赤字になろうがなんだろうが関係ありません。
会社が潰れると言われたら、さすがに株価は下がります。ただ、マクドナルドは、財政状況を見たらどう考えてもすぐには潰れません。赤字が5年続いても何ともないくらいの財務力を有していますから。
――株主優待でハガキをプレゼントするのは、面白いアイデアですね。
新規公開して、株価が上がって下がって、グダグダになったら株主優待を発表して急騰するのはよくある話です。妙に株価を釣り上げても仕方ないので公開日には言わないと思いますが。ゆっくりと安定的なエクイティストーリーを描いていると思います。
だから、もし公開価格を割りそうになったら手を打ってくると思います。国は、4兆円の復興予算を確保するにあたり、今回の上場で1兆4000億円しか売りませんから、あと2兆6000億円売る必要があります。下がったら、2回目以降が売れにくくなりますからね。そういう意味で何らかの措置を講じてくる可能性は高いでしょうね。
*10月12日掲載の「 日本郵政3社が秘める「とてつもない」ポテンシャル 」に続く。
【合わせて読みたい記事】
・
相場の福の神に聞く①日本郵政3社上場で個人投資家が押さえるべきポイント
・
相場の福の神に聞く③日本郵政3社が秘める「とてつもない」ポテンシャル
・
相場の福の神に聞く④郵政3社上場と日経平均株価の年内見通し
【郵政関連記事】
・
郵政株の買い方とは?〜公募・抽選・当選確率まで徹底解剖〜
・
投資初心者がゼロから分かる郵政IPO(新規公開株)を徹底解説!
・
郵政3社のIPO当選確率を上げる方法とは?