日本郵政上場
(写真=Getty Images)

日本郵政グループ3社の上場まで残り1ヶ月足らず。折しも日経平均株価がここにて底入れの兆しを示していることもあり、これから投資を始めようとするビギナーのなかには、投資対象として郵政3社を検討されている方もおられるのではないだろうか。

そこでZUU onlineでは、「相場の福の神」の愛称で知られる、SBI証券・投資調査部シニアマーケットアナリストの藤本誠之氏に、注目される郵政3社のポイントと見通しについて、4つのテーマに分けてインタビューした。第1回は「日本郵政3社上場、個人投資家が押さえるべきポイントとは?」について。福の神に大いに語って頂こう。

――日本郵政グループ3社の上場まで1カ月を切りました。改めて抑えておきたいポイントを確認させてください。

まず、注目すべきは1兆4000億円という売出し規模。大手メディアによると、内訳は、国内が1兆1000億円、そのうちの9割が個人投資家、1000億円が国内機関投資家、残りの3000億円が外国人投資家となっています。

そうなると、国内機関投資家と外国人投資家の4000億円に関しては、郵政3社専用のお金があるわけではなく「日本株」という運用資金から振り分けるため、何らかの銘柄を売却して購入することになります。彼らがニューマネーで買うとは思えないので、どう考えても4000億円の売り需要があります。個人投資家の場合、ニューマネーが入ると思いますが、いくら入るというのはなかなか想定が難しいです。「半分は入るか?」というと入らない気がしますから、「3割、あるかどうか」というイメージを想定しています。


7月以降の相場下落は郵政上場による需給問題が影響か

仮に3割だとすると、1兆円のうち7000億円が「株の売却資金」となります。厳密に言えば、MRFなどの待機資金も含まれますが、個人投資家の7000億円、外国人投資家と機関投資家の4000億を合わせた合計1兆1000億円が売られます。ただ、この売り圧力は7月〜9月にかけてすでに発生していたと考えます。すでに売ったものもあれば、これから売るものもあると思いますが、さすがにギリギリでは売らないでしょうね。とすると、8月に日経平均株価が売られたのはやはりそういうことかな、という気がします。

――なるほど。7月以降の下げには、そのような背景もあったのですね。

日経平均株価が1万7000円を割れる水準というのは、PERが13.37倍。これは、アベノミクス以降の予想PERの一番安値は2014年5月19日、21日の13.46倍なのでそれよりも悪かったことになります。野田元首相が解散宣言した時期のPER水準とほぼ変わりません。アベノミクス開始時期と、今の状況が同じというのは、いくらなんでも考えにくいですよね。

そこまで株価が下がるのは、様々な理由があると思いますが、需給の問題が大きかったと考えると「払い込みが終われば、そこから上がるのではないのか」と。つまり、売り圧力が一巡するわけですから、株価には追い風となる公算が大きいでしょう。


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