日本郵政上場
(写真=PIXTA)

日本郵政グループ3社の上場まで残り1ヶ月足らず。折しも日経平均株価がここにて底入れの兆しを示していることもあり、これから投資を始めようとするビギナーのなかには、投資対象として郵政3社を検討されている方もおられるのではないだろうか。

そこでZUU onlineでは、「相場の福の神」の愛称で知られる、SBI証券・投資調査部シニアマーケットアナリストの藤本誠之氏に、注目される郵政3社のポイントと見通しについて、4つのテーマに分けてインタビューした。最終となる第4回は「郵政3社上場と日経平均株価の年内見通し」と題して、全体相場の見通しを語って頂いた。


FRBはそろそろ動く

――マーケットでは中国の景気減速懸念やFRB(連邦準備制度理事会)の金融政策への警戒感も、まだ消えていないように思いますが、藤本さんはどのように考えておられますか?

米国には早く利上げをして欲しいですね。利上げをしないと、これまでのように市場の思惑で不安定な展開となりかねませんから。FRBもさっさと利上げをして、そこで「すぐには追加利上げはしない、市場の反応を見る」と意思表示すればマーケットは落ち着くと考えます。実際は、FRBも過度に市場が荒れるのを恐れていて、それがかえって混乱を招いている印象を受けます。

あくまでFRBは世界銀行ではなくアメリカの中央銀行なので、アメリカのことだけを考えているはずです。とすると「いい加減もう利上げしてよ」という感じです。今回は「中国リスクを考慮した」と言っていますが、実は中国によってアメリカ景気が悪くなるということを懸念しているだけであって、世界景気がどうなろうと、アメリカの都合でFRBは動くはずです。

そういう面で言うと「もうそろそろ動くのでは?」という気がします。利上げをしてくれればマーケットも落ち着くのではないでしょうか。


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