コーポレートガバナンス

(写真=Thinkstock/Getty Images)

「コーポレートガバナンス(企業統治)」とは、会社の経営が株主や顧客、従業員、地域社会などの利害関係者(ステークホルダー)の立場を踏まえて適正になされているかを監視する仕組みを意味する。コーポレートガバナンスを強化するための具体策としては、社外取締役の増員、監査役の強化、情報開示の強化などがある。VWショックや東芝の不正会計、旧村上ファンドを率いた村上世彰氏と黒田電気との対立などを背景に注目度が高まっている。

取締役会を正しく機能させるために

コーポレートガバナンスの狙いは、取締役会を正しく機能させることにある。これまで日本企業では、経営陣だけで取締役会を構成するのが当然とみなされてきた。しかし現在では、企業が社会の不正や会計上の不正を避けるには、独立した社外取締役や、経営陣に是正を迫ることができる強力な監査役が不可欠だという考え方が支配的になっている。

アメリカでは1960年代に、大企業の間で、取締役と個人的に仲の良い民間企業経営者を社外取締役に起用する動きが広がった。その後、ロッキード事件などの不祥事が続き、社会全般に「大企業には悪い人がいるのではないか」という見方が広がった。そこで、女性や大学教授など幅広い人材を社外取締役に迎え、取締役会に社会の良心を反映させようとする動きが高まるようになった。

社長に退任を促すことも可能

現在では監査機能を強化するために、社外取締役で構成する監査委員会を設置し、外部の監査法人や内部の監査部と協力して経営や業務を監査する仕組みが当たり前になった。たとえば、会計上の不正が見つかった場合は、CFO(最高財務責任者)などの経営陣に報告し、チェック機能を果たす。

また、人事や報酬に関する委員会も設置する。企業の業績が悪ければ、取締役の一部で構成する人事委員会のメンバーで協議し、社長の役員報酬を減らしたり、場合によっては社長に退任を促すことも可能だ。