「最後は運頼み」という局面は、投資でもビジネスにおいても、あるのではないだろうか。「運」の流れをコントロールできるのかどうかは分からないが、神社やお寺を参拝することで、運が開けるかもしれない。関東編に引き続き、関西のパワースポットを紹介する。

「五穀豊穣の祈り」は現代ではビジネスの成功

関西には歴史のある寺社仏閣が多く、先祖代々の氏子なのか、長い時間をかけて熱心にお祈りしている人がよく見かけられる。信心深い人の姿を見ると、神社で金運を祈ることが不謹慎にも思えるが、そもそも神道の原点は五穀豊穣を願う信仰にあり、その豊作というところから商売繁盛の御利益をアピールする神社も少なくない。

まっとうなビジネスや投資による利益は、畑を耕し、種を蒔き、水を与え、虫を取り、豊穣な収穫を迎えることと同じだ。その意味で、現代のビジネスパーソンに対しても、神仏はその威光を発揮してくれると考えていいだろう。

金運をうたう寺社仏閣に参るときには、多くを望まず、受け取るべき正当な実りだけを願い、まっすぐな気持ちで神前や仏前へ臨むこと。そうすれば、心はすっきりと澄み渡り、ビジネスマインドの曇りも晴れ、正しい判断ができるようになるはずだ。

「大企業が奉納した鳥居の数々も見どころ」伏見稲荷大社

京都市伏見区にある伏見稲荷大社は稲荷山の麓に本殿を持ち、稲荷山全体を神域とする巨大な神社。全国に約3万社(日本最多)ある稲荷神社の総本社であり、初詣では近畿地方の最多の参拝者を集める。また、外国人観光客からの人気も高く、日本旅行で訪れたい観光地ランキングの上位常連だ。

主祭神は、商売繁盛と五穀豊穣の神である宇迦之御魂大神(うかのみたまのおおかみ)で、その眷属が「おキツネさん=霊狐」。稲荷山の神域には、その霊狐の像と朱塗りの鳥居、神名の刻まれた石碑が無数に存在し、霊幻そのものの雰囲気を醸し出している。

朱塗りの鳥居の数々は企業や個人が奉納したもので、千本鳥居の先頭には奉納者である電通 <4324> の名が記されている。ほかにも名だたる企業が鳥居を奉納しているので、その名を確認しながら稲荷山を一巡りするのも一興だろう。

◆ 伏見稲荷大社 京都府京都市伏見区深草藪之内町68 TEL.075-641-7331

「証券、不動産関係者の参拝多し」御金神社

ずばり「金運の神社」として人気を集めているのが京都の御金神社(みかねじんじゃ)。京都の中心部、二条城の近くにあり、夜に行くとライトアップされた黄金の鳥居が迎えてくれる、きらびやかな神社だ。

主祭神の金山毘古神(かなやまひこのかみ)は鉱山と鉱物の神であり、鏡、刀剣類、農耕具に至る幅広い金属類を司るとされる。つまり、「金」といっても金属の「金」であって「お金」ではないのだが、「御金」が「おかね」と読めるので、いつしか金運の神社となった。証券関係者や不動産関係者の参拝も多いという。

最近では「金運の神社」としてのニーズに応え、手水舎に「銭洗い」ができる籠も設置されるようになった。

◆ 御金神社 京都府京都市中京区西洞院通御池上ル押西洞院町 TEL.075-222-2062