世界中の自動車産業を大きく揺るがしたVWスキャンダルだが、ダイソンが、「商品にゴミの量に反応する制御電子回路を組み込むことで、欧州の効率テストでは実際以上に優れた省エネ商品に見せかけている」として、ライバルメーカーのシーメンスとBOSHを相手に起訴手続きに踏み切った。ジェームス・ダイソンCEOは「このような違反行為はVWスキャンダルに共通するものがある」と厳しく指摘している。
「シーメンスとBOSHの違反行為はVWをほうふつさせる」
ダイソンの訴えによると、ゴミの量が比較的少ない実験現場ではセンサーが始動してエネルギー消費が低く表示されるため、「両社の掃除機は省エネラベルではAAAAと評価されているが、実際はEあるいはFランクの効率性しかない」という。
ダイソンCEOはさらに 「業界はより良い技術を提供することよりも、テストで都合の良い結果をだす手段を考えることで頭が一杯のようだ」と話す。
EU委員会に規制の見直しを要請
ダイソンは訴えの中で、欧州委員会(EC)に規制の見直しも要請。現在の効率テストは正確さに欠けており、「実験現場と一般家庭の両方でテストを行い、環境によってどのような差が生じるのか確認すべきだ」と提案している。
また紙パック式の掃除機やフィルターを販売しているメーカーに関して、「環境破壊を招く消耗部品にかかる『隠れたコスト』を明確にすべきだ」と要請。ダイソンは規制の見直しが年内に実施されると見込んでいる。
シーメンスとBOSHはダイソンの訴えを完全に否定。BOSHは「我が社が販売しているすべての掃除機はEUエコデザイン規制に従って製造、販売されており、省エネラベルに偽りはない」とコメント。疑惑が晴れないようであれば「法的手段に訴える」と全面的に戦う姿勢だ。(ZUU online 編集部)
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