「VWのスキャンダルは1年以内に世間から忘れられる」——。米マーケティング・コンサルタント会社、Prophetがドイツ人1000人を対象に行ったアンケートで63%がこう考えていることが分かった。欧州でVWのディーゼル車850万台の回収が発表されたばかりにも関わらず、60%は「スキャンダルが長期的に『ドイツ製ブランド』の威厳を損なうことはない」と信じている。


91%が「他メーカーも不正」と主張

このアンケートではまた、今のところVW傘下以外で違反行為を認めた自動車メーカーがないにも関わらず、「他にも違反行為を行っているメーカーがある」と91%が答えた。

スキャンダルの口火が切られてから早1カ月。「自国が誇る『世界のクリーン・エンジン・リーダー』から発覚した卑劣な裏切り行為に、独国民はさぞかし憤りを感じているだろう」と思われたが、自国の誇りと象徴であったVWをサポートしよう気持ち、強い愛国心を再確認しているのかもしれない。

元来独の堅実な経済基盤は、信頼性と正確性を重視する独人気質に由来するものだといわれてきた。欧州随一の経済大国にとって最大の危機になりかねないVWのスキャンダルが世間を騒がしている今、国民が一丸となって自国の経済を守る体勢に入っていたとしても、決して不思議ではないだろう。


英国での支持率はわずか4%

当然ながら他国の反応はそこまで支援的ではない。長年製造産業のトップを走り続けてきた独メーカーを潰す絶好のチャンスといわんばかりに、世界中で“アンチ独製”動きが見られている。

例えば自動車産業レースでフォードや日産など、すっかり海外メーカーに押され気味の英国では、「スキャンダル後もVWを信頼する」と答えたのは8500人中わずか4%。71%が「VWを以前ほど信用できない」と回答した(英自動車情報誌『オート・エクスプレス』調査)。

あまりにも対象的な数字に驚かされるが、これは「他国に厳しく自国にも厳しい」という英国人気質を表しているといえるのだろうか。仮に英国を象徴するジャガーやアストン・マーチンが同様の不祥事が見舞われたとしても、これらの数字に変化はないのだろうか。非常に興味深いところである。 (ZUU online 編集部)

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