半数超の採用担当者が「手書きがプラス」

履歴書を読む側である企業の採用担当者はどのように考えているのだろうか。文具メーカーのゼブラのウェブサイトに、採用担当者に行った履歴書についての調査結果が掲載されている。

それによると、「手書きであること」がプラスの評価につながると回答した採用担当者は54.6%。過半数を超える担当者が「手書き履歴書」を好意的に捉えている。

一方、「ワード・エクセルで作成されている」は13.7%と、手書きに比べてずいぶん低い評価となっている。ゼブラは、「採用担当者いわく『手書きの履歴書からは、熱意や個性が伝わってくる』のだそう」「手書きの履歴書は採用担当者に思いを伝える有効なツール」とまとめている。

就職活動をする側の本音はどうなのだろうか。転職エージェントのワークポートが2014年11月に発表した「転職希望者のホンネ調査」によると、「履歴書は手書きのほうがいいと思いますか?」という問いに対し65%の転職希望者が「YES」と答えている。

その理由としては、「雇用する側への誠意を表す一つのツールであると考えるため」「手間が掛かっている=志望度が高いというイメージがあるため」などが挙げられている。日本の就職活動においては、手書き履歴書がまだまだマジョリティだといえる。

採用する「偉い人」が持つ偏見

前出のはてな匿名ダイアリーとは別に、2014年9月に投稿された「履歴書はちゃんと手書きで書こうよ、就活生クンたち!」という記事がある。これは、自称「某大手外食チェーンの正社員を選定する人事のそこそこ偉い人」が書いたものだ。

「履歴書をわざわざがんばってがんばって手書きをしてくれた人間と、チョチョイのチョイとキーボード叩くだけでこしらえた人間と、どっちを採用しようと思います?」

「勘違いしてほしくないんだけど『履歴書を手書きしないと落とす』と言っていないんだ、逆で『履歴書を手書きする程度の常識も弁えない奴は100%使えない』と言ってるんだ」

といった本音が書かれている。履歴書を手書きしない人物が「使えない」など、一方的な決め付けにしか思えないが、筆者である「そこそこ偉い人」が偉くなる課程で会った人たちはそうだったのかもしれない。そもそもこの「そこそこ偉い人」がどれだけ「使える」のかは分からないが、何も分かってない就活生たちは手書きを選ばざるを得なくなるのかもしれない。