太陽光パネル
(写真=PIXTA)

TVCMで太陽光発電関連の商品を目にすることが珍しくない。ビルの上から住宅地を見下ろせば、一戸建ての屋根の上に、多くの太陽光パネルが設置されている光景を目にすることもできる。しかし電力の買取価格は下がったといわれている。今から、太陽光パネルの設置にうまみはあるのだろうか?


買取価格の下落と国の補助金打ち切りというマイナス要素

太陽光発電は大きく分けて2つの区分がある。ひとつが「住宅用太陽光」といわれるもので、設置容量が10kW未満のもの。もうひとつが「産業用太陽光発電」といわれ、10kW以上のものを指す。この2つは、売電の規制や価格、補助金の有無に差がある。ここではメリットが大きいといわれる前者について考えていきたい。

太陽光パネル反対派の人たちは、次の2つを理由に挙げることが多い。「買取価格の下落」と「国の補助金の打ち切り」だ。残念ながらこの2つは事実だ。でもこれは必ずしも太陽光パネルの設置が無意味になったということではない。その理由を説明しよう。

まず買取価格について。これは固定価格となっており、経済産業省が決定している。一般電気事業者(電力会社)に売電する場合、出力制御対応機器の有無によって2種類になる。この設置義務の有無は、売電先の電力会社によって指定されている。

10kW未満の買取価格(2015年)
設置義務なし    33円/kWh
設置義務あり    35円/kWh
(出所:経済産業省HP)

2014年は37円/kWhであったことを考えれば、かなり低くなったことになる。さらに言えば2010年は48円/kWhだったのだから、激減ともいえる。

次に国からの補助金についてだが、残念ながら、2014年3月31日に打ち切られている。これだけ見ると「やはりこれから太陽光パネルを設置しても意味がない」と思いがちだが、実はそうではない。


今が最後のチャンスといえる理由

買取価格について、これからも下落傾向にあるというのは、関係者の一致した見方だ。では今契約しても、毎年金額が下がっていくのかというとそうではない。実は契約から10年間はずっと同じ買い取ってもらえる。つまり来年以降、どんなに買取価格が下落しようとも、今の価格が保障されているのだ。もし設置を考えているなら、毎年価格が下がっていくわけで、早めに契約しておいたほうが賢明といえるだろう。